海の誘惑 薩摩忠詩集

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 1964年4月、木犀書房から刊行された薩摩忠(1931~2000)の第2詩集。第4回室生犀星詩人賞受賞作品。吉原幸子『幼年連禱』は同時受賞。

 

目次

  • 海の誘惑
  • テーブルマナー
  • フランスパン
  • 栄養
  • 質問
  • 夜の色
  • 時間
  • 金魚
  • 雨だれ
  • 富士山
  • 木魂
  • ヴオストーク
  • バランス
  • 存在
  • 手相
  • むやみと走りたがる馬に
  • 水の花
  • ヒバリ
  • ケラ
  • ツバメ
  • 花菖蒲
  • 麦秋
  • 梅雨晴れ
  • ハンミヨウ
  • 水の花
  • アリ
  • アオカミキリムシダマシ
  • ミスジマイマイ
  • アオバアリガタハネカクシ
  • ツヅレサセコオロギ
  • 木枯
  • スズメ
  • トラ
  • 三日月
  • ラクダ

あとがき


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猪飼野・女・愛・うた 宗秋月詩集

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 1984年8月、ブレーンセンターから刊行された宗秋月(1944~2011)の第2詩集。装幀は秋山高廣。

 

目次

まえがき
一 生きていること

  • おおぎいちゃあらん
  • 忍草
  • 未練な唄
  • 夜叉
  • 遺言

二 我が輪廻のうた

  • 我が輪廻の五月
  • これは一つの物語です
  • 名前
  • 草津の女

三 我がパンソリ

  • ポッタリジャンサ(風呂敷かつぎ)
  • マッコリ・どぶろくにごり酒
  • 風景をなぞる
  • ごきぶりだんご

四 一枚の写真からの連想

  • 道のれんそう
  • まぼろしのふるさと
  • 済州道の母よ
  • 済州道の両班
  • 赤い靴

五 第一詩集より

  • キムチ
  • 祖国がいえる
  • チェオギおばさん
  • 頼母子講
  • にんご
  • 異人さん
  • あぱぁとめんと
  • 貼子哀史
  • 雪の下での店びらき
  • 平野運河
  • 帰郷・1
  • 帰郷・2
  • 酒筵(繰言をする父)
  • 子守り唄考
  • アニメーション
  • きんぽうげ
  • 任務
  • 南京虫
  • 朝顔
  • ラニ
  • 日本海鳥取からなる)
  • 睦言
  • 蛇経
  • 新潟港

六 私の詩と生(座談会)

  • 詩集の発刊によせて

後記


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交番日記(新版) 伊波南哲

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 1958年9月、河出書房新社から刊行された伊波南哲の随筆集。新版。装幀は鈴木信太郎

 

改訂版に際して

「交番日記」は、昭和十六年四月河出書房から出版されるや忽ち八版を重ね、ラジオドラマや演劇となってアッピールしたものであった。
 出版と同時に職を辞して、作家生活に入った私は、束縛から解放されて自由人になってみると、現職時代と戦時体制下の影響もあって、自由な採材と表現の阻まれていることを遺憾に思った。
 そこで終戦直後から改訂版を執筆すべく、幾度か発心はしたもののその機会に恵まれず、今日多くの読者層の要望もあって、全編新しく書き下ろしたのがこの「交番日記」である。
 時代は移り変ったとはいえ、生きた社会の断面に浮ぶ各種の事件と、それを貫く真実は不変で、終戦後お巡りさんの服装が変って、民主的になったとはいえ心理は同じであろう。
 戦前の警察官は、厳めしい制服にサーベルをがちゃつかせて、官僚風を吹かしていただけに、反面漫画的であり、ユーモア的存在でもあったので、そこが読者の興味を唆ったのであろう。
「佯らざるユーモアが全編を織りなし、コント風に描いてある肩の凝らない好個の警察文学――。」
 と、当時のジャーナリズムは批評した。
 古くは井伏鱒二氏の「多甚古村」を始めとして、最近の伊藤永之介氏の「駐在所日記」「警察日記」などは、いずれも地方農村における閑雅な駐在巡査の物語であるが、本著は警視庁の丸の内警察署を中心に、騒音に明け暮れる大都市の交番風景が描かれているので、まさに対照的である。
 しかも本書は、著者の体験になる実話であって、登場人物と背景も差支えのない限りほとんど実名を使用した。
 全編、交番の窓に映ずる世相の哀歓にみちあふれ、話の泉としてのエピソードが織り込まれているので、是非一読して欲しいものである。
(「序」より)

 

目次

  • お巡りさん
  • 不審尋問
  • 野も山も花ざかり
  • 捕り物
  • 椰子の葉蔭で
  • 恋を食う動物
  • 失業戦線の裏表
  • 交番と犬
  • 点検と操練
  • アカシアの花の咲く頃
  • 雪の降る晩
  • 春がきた
  • シラノ・ド・ベルジュラック
  • 柔道の話
  • 真夏の夜
  • 天皇と巡査
  • 空手の話
  • 政党演説大会風景
  • 放浪詩人
  • 二重橋前での恋愛
  • 大都市の心臓
  • プラットホーム
  • 牛の話
  • 広告詐欺御用
  • 珍文騒動
  • 八重洲口にて
  • 大臣と巡査
  • 騒音に埋れて
  • 私の辿る道


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交番日記(旧版) 伊波南哲

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 1941年4月、河出書房から刊行された伊波南哲(1902~1976)の随筆集。旧版。装幀は鈴木信太郎

 

 晩秋のうすら寒い宵であった。
 あの頃、近衞の三聯隊では千葉縣下に於ける秋の出張演習を了へ、長い道のりを六キロ行軍をしながらやつてきたので、兩國橋あたりまでくると體は綿のやうにへとへとになり我慢の出來ないほど疲れきつてゐた。でも軍律の嚴しさ、顎を突き出したま、馬場先門から宮城の外苑に差しかかつたとき、楠公銅像に通ずる芝地の角に馬場先門の交番があって、そこに若い巡査が凛として立つてゐた。
 交番の赤い軒燈に照らされて巡査の帽章と庇が美しく輝き、冬の外套の金釦が整然として竝んでゐるあたり何かしら冒し難い氣品と威嚴があつた。
 何んて立派だらう。と思つた私は急に元氣が出て、突き出た顎もいつの間にかシヤンとして歩いてゐた。
 帝都の治安を護る――この激刺とした意義深い男らしい職務に若き日の情熱を傾倒することは、軍隊に於ける偉大な體驗と同じく美しいことであらねばならない。
 そこで、除隊をしたら警視廳の巡査にならう。と決心したのはそのときからであり、同じ巡査でも陛下の御膝下にありて宮城の聖域を護りたいと念願してみたことが、悉く實現され、私の若き日の情熱は日夜そのことのために動員され、今日迄御奉公への生活が繰りひろげられてきたのである。
 その間、交番から東京驛警備、内勤等々と十五年の星霜は徒らに流れ、喜びや悲しみ、惱み苦しみと人の世のさまざまな姿が、交番の窓に映じ、うたかたの如く消え喪せるのであつた。
 然かも私には一つの病氣があった。それは幼ない頃から持ち續けてきた詩人としての魂である。この持つて生れた魂と云ふものは如何なる環境に於ても育ち、凡そ、それとは縁遠いやうなところにあつても平然として芽生え、且つ花開くものなのである。
 そのために私は警察の變わり種にされ、詩人巡査とも云はれた。
 きびしい警察機構の中にあつて勤務と藝術を如何に生かして來たか、然かも私たちの同僚が十年一日の如く默々として遠の昔から如何に新體制を實踐してきたか。さらにまた、交番の窓に映るさまざまな世相、警察の窓から覗いた社會の表裏を如何に考へ如何に處理してきたかといふ、云はば私にのみ許された「交番日記」を玆では書いてみたいと思ふ。

(「序」より)

 

目次

  • 不審尋問
  • 山や野原も花ざかり
  • 迷ひ子
  • 捕り物
  • 戀を喰ふ動物
  • 椰子の葉蔭で
  • 交番と犬
  • 深夜の警邏
  • 曉の警邏
  • 鳶に油揚を攫はれた話
  • アカシヤ花の咲く頃
  • 宮城警備
  • 外苑の夜空
  • 雪の降る晩
  • 春が來た
  • うたかたの記
  • シラノ・ド・ベルジユラツク
  • 私の辿る道
  • 眞夏の外苑
  • 大都市の心臟
  • プラツトフオーム
  • 犯罪ところどころ
  • 廣告詐欺御用
  • 珍文騷動
  • 牛の話
  • 騷音に埋れて
  • 點檢と操練
  • お巡りさん
  • 失業戰線の裏表
  • 不滅の墓碑銘
  • 署長の血涙
  • 林長二郎
  • 人事相談の件
  • 交番の窓
  • 街頭の藝術
  • 交番と花
  • 柔道の話
  • 私の原稿生活
  • 御稜威の下
  • 聖なる日


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後裔の街 金達壽

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 1949年5月、世界評論社から刊行された金達壽(1919~1997)の長篇小説。

 

目次

  • 後裔の街
  • 作者のおぼえがき
  • 推薦のことば 藏原惟人
  • この本のこと 小田切秀雄

 

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B級詩人のつぶやき 黒川洋

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 1996年2月、皓星社から刊行された黒川洋(1943~)のエッセイ集。装幀は石澤義裕。

目次

  • 戯謡歌・あるいは平成音頭
  • 『人間病患者』・遠地輝武詩集
  • 『列島』以後の労働と詩についてのメモ
  • 『執念の牡牛』・伊豆太朗論
  • 自律の飢餓・まちえひらお論
  • 伝達幻想なのか
  • 近況
  • 労働を比喩として
  • 存在と破壊・東野伝吉詩集
  • 一九三〇年うまれの詩人
  • ある群像1
  • 『わが射程』吉田欣一詩集
  • ある群像2・企業内逃散
  • 走り書き1
  • アウトサイドの眼・清水清詩集
  • 花の詩人への手紙・野口清子詩集『出逢い』
  • ある群像3・幻想の畦せせり
  • サンチョどこへ
  • 唄について
  • 独白
  • のみ屋ばかり教わった
  • 無人地獄
  • 通信『花車』感想・野口清子詩集
  • 涙もろい男たち
  • 中野重治記念』号の読後感
  • 走り書き2
  • ビー丸のK
  • 0一三五番の人人へ・寺島珠雄詩集『あとで見る地図』
  • 知行一致の詩人・高島洋詩集『揺れる煙突』
  • 空気が無くなる日
  • 傾向映画の死
  • 『船底修理』の周辺・松永浩介作品1
  • 「かしめ鋲」の周辺・松永浩介作品2
  • ソロモン・グランディ
  • 弔歌
  • ケ・セラ・セラ
  • 世紀末十年カウチポテト日記1
  • 世紀末十年カウチポテト日記2
  • 世紀末十年カウチポテト日記3
  • 世紀末十年微風闘日記4
  • 世紀末十年微風闘日記5
  • 世紀末十年微風闘日記6
  • 世紀末十年微風闘日記7
  • 白夜の騎児・清水清
  • 世紀末十年微風闘日記8
  • 自伝の周辺
  • 騒の乱
  • 社会派の詩人達・『抵抗と表現』西杉夫評論集
  • ブルースの死んだ街から
  • 戦後詩は終わったのか
  • 昭和余年考
  • 詩人探訪·岡本潤
  • 植民者としての贖罪を背負って・村松武司著作集『海のタリョン』
  • 低人の系譜・寺島珠雄詩集『片信録』
  • ビブビブのエレジー


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朝のいのり 山本沖子詩集

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 1979年4月、文化出版局から刊行された山本沖子の第2詩集。第4回現代詩女流賞受賞作品。

 

『朝のいのり』は、私の第二詩集です。
 第一詩集『花の木の椅子』(新版、昭和五十二年)の末尾の詩と、『朝のいのり』の最初の詩とのあいだには、ほぼ三十年の歳月のへだたりがあります。
 その間、私は詩を書くことがまったくありませんでした。書けなかったからです。
 貧しさ、いそがしさ、からだの弱さ。理由らしいものは、いろいろあげられるにしても、ほんとうの理由がなになのかは、私にも、よく分らないのです。

 私は若年の頃、教えていただける師もなく、仲間もなく、まったくひとりで、突然のように詩を書きはじめました。それは太平洋戦争の終わる、ほぼ一年ほど前のことでした。
 それが、当時、福井県三国町疎開中の三好達治先生のお眼にとまり、『花の木の椅子』所収の詩については、実にきびしい、ありがたい、ご指導をいただくことができたのでした。
「日本語で、これ以上美しい詩を書くことは、たとえ、だれであっても、できない」と、あるとき、先生が私におっしゃってくださったのも、その頃のことでした。
 おなじ頃、伊東静雄先生は、私にくださったお手紙のなかで、「孤独と、祈りに似た善意が、私に大へん深い感銘を与えました。混迷した今の世相を背景にして読んで、そんな感銘を受けたのです。又そんな読み方をさせるものが確にこの詩集にはあります。私自身強く快い刺戦を受けたことを感謝します」(昭和二十二年五月十二日付)と、おっしゃってくださいました。
 これらは、もちろん、たいへんな過褒のおことばでした。しかし私は長い年月、両先生のおことばをささえにしてまいりました。いわば、それは、私にとって、黄金の杖でありました。その後、詩を書けなかったとはいえ、私は、私なりにいつも詩について考え、勉強を一つづけていたのです。
 昭和五十年の夏、今度も、突然のように、私はふたたび詩を書くようになりました。
 なぜ、ふたたび書くことができるようになったのでしょうか。このことについて考えても、やはり理由というようなことは、分らないのです。
 とにかく、その後、現在まで、およそ百二十篇の詩を書くことができそのなかから、「故郷」に、ほぼ焦点の合っているものを五十一篇えらび、第二詩集『朝のいのり』を編集いたしました。

 私の故郷は福井県若狭地方の小さな町です。私は、ながい間、私の郷里へ帰ったことはありません。
 私が八歳の春、私の母は病死し、そのほぼ一年のちに、父もまた重い病気にかかり、うつくしかったと、いま、私の心に思う私の家は、荒れ、しだいに崩潰のような過程をたどってゆきました。
 いま、改めて、この詩集をふりかえってみますと、母のことを、いちばん多く書いていることに驚きます。
 母よりも、私は、はるかに長い年月を生き、人生をあゆみ、悲しみや苦しみをかさねるほどに、記憶のなかの「母」は、なぜか、輝きをましてくるのです。
 長い歳月のあいだ、私に、かわらぬ期待をよせられ、おはげましくださった杉山平一氏、機会あるごとに、これも長い年月にかけて、私の詩をご推薦くださった小川和佑氏、谷川俊太郎氏に、深い感謝の念をささげずにはいられません。
(「あとがき」より)

 

目次

  • 貝殻
  • ずっと昔の春
  • 作文とマリ
  • 時の車
  • こうもり
  • 理科室
  • 写真
  • 花の絵
  • 蛇の目傘
  • 燭台
  • 水たまり

  • 夜明け
  • 波の音
  • キャンデー
  • ギンヤンマ
  • 夏の朝
  • 校庭
  • 講堂
  • 八月三十一日の夜
  • 私の部屋
  • お座敷
  • アイスクリーム
  • 赤い屋根の家

  • 故郷
  • 朝霧
  • 訪問
  • 舞扇
  • 夕ぐれ
  • 洋服箪笥
  • 灯影
  • 母の箪笥
  • 今ひとつの海
  • 夕陽
  • 就寝
  • 橋の夢
  • うつくしい墓
  • 行列

  • 妹の病気
  • 渡り廊下
  • 母の編み物
  • 人形
  • 柳こうり
  • 朝のいのり

あとがき

 

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