1990年11月、本多企画から刊行された関克三(1912~?)の第1詩集。刊行時の住所は宮崎市大塚台。
目次
Ⅰ
Ⅱ
- 原罪
- 輪廻(原罪その二)
- 終わりのない空
- 少年無頼
- 果て
- 少年の日の慟哭
Ⅲ
- アフリカの目
- 軍国主義の鬼め
- 鼻くその詩
詩集『老残の旗』に寄せて 田中詮三
あとがき
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1988年8月、砂子屋書房から刊行された岩田京子(1937~)の第5詩集。著者は東京生まれ、刊行時の住所は中野区東中野。
この本には、一九七四年出版の詩集『愛時間そして哀しみ』以後の詩を収めた。既発表の詩には、若干、手を入れたものもある。
この空白の十四年間は、病気や退職で落ち着かなかった。書けない時期もあった。また、消毒薬の匂いのする詩は書きたくない、詩は、結局、健康を志向するものだから、とも思い続けた。
言葉への安易な依存、詩の日記的性格、良い子になりたがる悪癖から、まだ自由になっていない。それを知りながら、出版するのは、ハタ迷惑でもある。にもかかわらず、この出版に踏み切ったのは、旧知の詩人たちの訃報がこのところ相次ぎ、自作を未熟と思っても時どき詩集にまとめていくことの大切さを痛感したからである。詩人と呼ばれる以上、最近の詩集を持っていないと困る。
解説の労をとってくださった先進の詩人大江満雄さんに、あつくお礼を申しあげたい。突然送ってきた詩集を四半世紀にわたって保存し、とぎれがちな詩集と詩集とのあいだに一貫性を見いだし、ラフな詩にも長所だけを認めて将来を励まそうとされるご努力は、後進の詩人を育てるという志がなければ、とてもできないことだと、身に沁みて思っている。
(「あとがき」より
目次
解說 大江満雄
あとがき
2008年4月、中澤信男によって刊行された筧槇二(1930~2008)の短編小説集。装幀は中澤信男。
みんな古い小説である。あちこちに書き散らしてあつたものだ。一冊にまとめておかうと思ひたったのは、自らの終焉も近いなといふ自覚もあつたし、われわれの世代がゐなくなったらみんな忘れ去られる事柄だなといふ思ひもあった。
なにせ、日本がアメリカと戦争したことなど全く知らない子供が続出してゐる世の中になった。「それで、どっちが勝つたの?」と聞かれて唖然としたことがある。
昭和の波瀾を通過した青春期の記録をまとめておかう、といふのも、年相応のセンチメンタリズムととられるかもしれない。いや、たぶんさうだらう。
それでもいいや、とも思ふ。こんな人生もあったんだぞ、お前たちは戦争するなよ、と子供たちに伝はるものがあれば、満足。
猿の群れは喧嘩もするが、同族同士の攻撃や殺しあひはしないさうだ。ある意味では、人間は猿以下の生き方しかしてゐない。
(「あとがき」より)
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あとがき
1943年10月、櫻井書店から刊行された山田岩三郎(1907~?)の詩集。装幀は小穴隆一。
目次
序 高村光太郎
・裸の河
・日本に坐る
・金色の子供
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1975年4月、朔人社から刊行された小沢信男(1927~)の第1詩集。
年少のころ、私は詩人でありたいと思いつめていた。すると天の感ずるところにや、詩が毎日のように湧いてきて、私はそれをノートに書きとめればよいのだった。やがては一冊の詩集が編めるだろう。そうすれば死ぬにもいくらか死にやすい気持だった。
それが、そうはならなかった。私は胸の手術をして健康をとりもどし、そのころから詩が遠ざかって、散文がやってきた。そのまま碌碌としてこんにちに至るのだが。しかし長生きはするものだな。このほど、天に代って菅原克巳氏の感ずるところとなり、詩集を出さぬかと誘ってくださったのだ。
これこそ少年のときからの夢であった。夢みたいな気持だ。やはり夢ではあるまいか。だからこの薄い詩集は、できたあとでも油断がならない。一夜あければ書架から消えているかもしれない。
収めるものは主に二十代なかばの作品であり、それに近年、四十代なかばになってまた書きだした数篇が加えてある。若いころの詩篇は感傷過多がみるにみかねて、多少、あるいは大幅に書きなおした。もともと進歩がないうえに、そうしたものだから、だいたい稚拙に統一されたとかんがえる。
この詩集をだすことは、あの貧弱な青春を、いまさらなぞるようなものだ。そのことにどれほどの意味があるやら。貧弱ななかに豊満への渇きがうかがえれば望外であるのだが。
すくなくも私にとっては思いがけない幸福である。菅原氏をはじめ、版元の高頭祥八氏、跋を書いてくださった長谷川四郎氏、そして本書をたまたま買ってくださるご奇特な読者各位の、多くのご厚意にめぐまれて、私は今後ともぬけぬけと生きてゆきたい。そしてこの第一詩集を、亡師丸山薫氏に献じたい。
(「あとがき」より)
目次
・旅中偶作
・これでも相聞歌
・いまは昔のうた
・長崎遍路調
・お別れのソネット
・終りに、または始めに
赤面後記 長谷川四郎
あとがき
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