1976年9月、紫陽社から刊行された郷原宏(1942~)の第3詩集。
これは「執行猶予」「カナンまで」に次ぐ私の三冊目の詩集である。ここには前詩集発行後ほぼ三年のあいだに、さまざまな理由でさまざまな場所に書いた作品十五篇を収録した。この期間、私は数多くの散文を書いたが、詩は少ししか書かなかった。書けなかった。自分のなかで、詩と散文の区別が次第に不分明になっていくのを感じている。(「少数の読者のための私註」より)
目次
旅にしあれば
- 分水嶺
- 蓬莱曲
- 追分
- 多麿
- 出雲
- 遙かなる旅
ただこのように
- 風の距離
- 驟雨のように
- 鬼
- 沙羅雙樹
- 珈琲讃歌
- 反・異邦人
- 朝の市民
またあるときは
- 海と探偵Ⅰ
- 海と探偵Ⅱ
少数の読者のための私註