1991年8月、學藝書林から刊行された赤塚行雄(1930~)の評論集。装幀は寺尾眞紀。
目次
・序章 東の「黄色い希望の国」
- 明治期の東京大学の教授たち
- 「當時一少年なりし余の如き者ならでは……」――「グレー氏墳上感懐の詩」
- なぜ、ヨーロッパの文学者たちが、新体詩に関心を寄せたのか――レンジェルの『颱風』、ポーランド語訳『新体詩抄』、ハンガリー語訳「孝女白菊の歌」などについて
- 「孝女白菊の歌」をめぐって――井上哲次郎、落合直文、与謝野鉄幹の関係
- 井上哲次郎の『勅語衍義』について
第一章 死のテーマと蝶々のイメージ
- 徳性の涵養(かんよう)と情操の陶治(とうや)
- 明治人の緊張感
- 『小学唱歌集・初編』のこと
- <無意識的なもの>の〈意識化>
- 「乗合船」などを含む『檞之葉(かしわのは)』の詩歌
- 斎藤緑雨の皮肉
第三章 「ハアトの事」以上という詩のヴィジョン
第四章報道メディアとしての絵草子と新体詩
第五章 漢欧混合文脈に支えられる思想
第六章 若き東京大学の模索
- 言文一致の自覚期と新体詩運動の関係
- 第二自覚期における『帝国文学』の目録
第七章 新しい詩歌の時の修辞学
第八章 井上哲次郎をめぐる大学の俊才たち
第九章 弁玉といわれし僧ありて
- 大和田建樹の『新体詩学』における指摘
- 「野毛の山からノゥエ……」
- 下層の人々に向けられた弁玉の眼
- 『十二の石塚』につながる叙事的手法
- 横浜の女学生たちが歌っていた賛美歌
第十章 粗放なコミュニケーション網の中の新体詩
おわりに
引用文献一覧
主要参考資料一覧
巻末資科