1980年1月、ホルン社から刊行された土橋秋良(1910~)の詩文集。著者は北海道夕張郡由仁町生まれ、刊行時の職業は旭川大学経済学部教授、住所は旭川市永山。
性来懶惰な人間が日常生活の折にふれて空白から生じる間の空間に浮かんだ像は虚像ではあっても消えないうちに書きとめたいと思っていた。それが言語空間に生きているか否かは不明であるが、貧しい記録として誌しとめたものである。跋文をいただいた荒木亨氏と非力な私を鞭撻されここまで進めていただいた木津川昭夫氏に深甚な謝意を表する次第である。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ 詩
- 秋のエピタフ
- 味爽
- 想い出
- 立夏
- 孟春
- 春の風神
- 蝸牛
- 朱夏の影
- 白い秋
- 月華
- 虚ろな瞳
- 白い雲
- 蒼穹
- 灰の墓標
- 見えない海
- そこにもお陽さまは照るであろう
- 彷徨
- 消えた影
- 陌上の塵
- 黒い夜風
- 虚空
- 不毛の地
- 甃
- 虚空の鬼
- 紫陽花
Ⅱ 訳詩
- 嘆きも笑まいも永くはない
- シナラ
- ブレトンの午后
- 聴きいるもの
Ⅲ 随想
- 狂気と花
跋 荒木亭
あとがき