1979年10月、紫陽社から刊行された郷原宏(1942~)の第4詩集。装画は野本久美子。
これは『執行猶予』『カナンまで』『風の距離』につづく私の四冊目の詩集である。ここには、前詩集刊行後ほぼ三年のあいだに、さまざまな場所に書いた作品のうちから十三篇を選んで収録した。
この期間、私は探偵と自然の事物を組み合わせた多くの詩を書いた。これは私が欧米の推理小説が好きで、幾人かの名探偵に傾倒しているためだが、篇に対応する特定の小説や主人公があるわけではない。あくまで感情移入のための道具立てと解していただければ幸いである。
(「あとがき」より)
目次
・探偵
- 雨
- 花
- 窓
- 空
- 風
- 海Ⅰ
- 海Ⅱ
・消息
- 消息
- 諏訪優にささげるうた
- 涕泣
- 残侠伝
- 死の玉
- 小景異情
あとがき