1982年3月、視点社から刊行された高畑弘(1924~)の第2詩集。装画は小林恒吉。著者は水戸市生まれ、刊行時の住所は水戸市。
第一詩集、組詩『愛』を出して以来八年、八十篇以上の作品がある。それぞれの作品は、制作時には、私の手足となって共に動いてくれたが、活字になってしまうと、一個の独立体として、他者として冷静に私を見詰め、欠点を指摘し、作者をたじろがせる。私は、それらの詩作品とは別れよう思っていた。しかし、それらを再び活字にせよとしきりにすすめてくれた人たちがいた。私も、一冊の詩集にまとめれば、一つの共同体を形成し、何かを訴えるものとなるだろうという気になった。人間が行動し合い、生活を支え合っている以上、時間や空間を超えて、詩とは、読者を(思考を含めて)ある行動へと向かわせるものでなければならないと私は思っている。これらの作品たちが、それをしてくれるかどうか、読者、そして私の全生活を支えて下さった皆様の厳しい御批判を乞うや切である。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- 地蔵尊
- 屋根
- けらおどり
- 西ノ内紙
- 風景
- 首
- 銀河
Ⅱ
- 母
- 這い廻るもの
- 従兵
- 柿
- 恋人よ
- 天
- 野火
Ⅲ
あとがき
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