1974年7月、潮流出版社から刊行された芝憲子(1946~)の第2詩集。写真は知念聡、装画は宮良瑛子。著者は東京生まれ、刊行時の住所は那覇市。
これは、わたしの第二詩集である。第一詩集の『東京の幽霊』を出してから四年近くたった。その間の、わたしにとって大きな変化は、沖縄に移り住んだことである。したがって、この詩集にも神縄に関する作品が多く入ることになった。
ⅠとⅡに沖縄に関する作品を、Ⅲにそれ以外の作品をまとめた。Ⅰの作品は、いずれも戦争で死んだ人のことを考えながら作ったものである。わたしは、詩集名にもした遺骨を見て、はじめて戦争というものが少しばかりわかったような気がした。それまでは、いくら話を聞いても、戦跡に行っても、ひとごとのように思えた。
収録した作品は、『潮流詩派』『詩と思想』『詩学』『沖縄思潮』その他に発表したものを中心に、未発表のもの九篇を加えた。
(「あとがき 」より)
目次
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
- 唇
- 水族館にて
- スパイの仕事
- 活字
- 子供の口には
- 缶詰の子
- 自殺の方法
- 死後
- ハートの芽
あとがき
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