2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧
1971年9月、昭森社から刊行された上村弘子(1932~)の第1詩集。著者自装。 庭の数本のざくろが、芽吹き、花を咲かせ、実を結び、四季の扉を開閉する。私は、窓辺のざくろと語り、慰められ、あるいは、仲違いをしながら、三年の歳月をひとりの部屋で暮してき…
1981年11月、詩学社から刊行されたよしだひろこの第2詩集。著者自装。扉絵は豊田一男。 街を歩いていると、永遠に止った刻のなかにいるような奇妙な錯覚をおこすことがある。いつかしら私はその刻のなかに、自分の原素をばらばらに忘れてきてしまったのかも…
1986年11月、花神社から刊行された黒岩隆(1945~)の詩集。装幀は林立人。 「森へ」と題された、ムンクの木版画が気に入って、その絵葉書を額に入れて、階段の登り口に飾った。「何処へゆくの」「森へ」といった具合だ。その絵は、ほぼ画面いっぱいの茶色い…
1979年5月、永田操により刊行された本多利通(1932~1989)の詩集。装幀は黒木郁朝。刊行時の著者は延岡市消防署勤務。 わたしは石に打たれて死ぬであろう天に向く檜の黒い密林のうえをわたしの眠りは白い鏡のように落ちて来る鷹よ わたしの胸を破れ 渡辺修…
2000年3月、ワニ・プロダクションから刊行された下村康臣の長篇詩集。 序 何年間も投げてあった草稿に手を付けるに際して(病を得なければ、文字通りそれは反故になったでしょう。作品の価値の原器は今の私には無意味です)、偉大な先輩達に感謝します。摂取…
2000年9月、私家版として刊行された岡谷公二(1929~)の創作集。 私の文章の大方は、ごくささやかな形ではあれ、幸い世に迎えられた。しかし私が間歇的に――ときには、二年三年の間をおいて――書いてきた小説らしきものだけは、そうはならなかった。私の非力…
2013年7月、思潮社から刊行された建畠晢(1947~)(たてはたあきら)の第5詩集。装幀は清岡秀哉。第21回萩原朔太郎賞受賞作品。 目次 葉桜の町 若草色の痙攣 眠たがり大女 三方位、尋問水 私たちの淡い水 明け方に来る波 死語のレッスン 風の序列 ボスポラ…
1979年7月、詩学社から刊行された一色真理(1946~)の第3詩集。1972年以降の作品集。装幀は十河雅典。第30回H氏賞受賞作品。 目次 ぼく 文字 左ききの男 逆立ちする人 重傷者 原稿用紙 世界 顔 坑夫 妻 インタビュー 心 黒光りする巨大なゴキブリ 傷 筆 遺…
1965年2月、審美社から刊行された桂英澄(1918~2001)の短篇集。戦時中の関西の学生生活を題材にしている。カバーは姉の桂ゆき。 目次 古都の女 暗い流れのなか 室生路 白い壁 あとがき NDLで検索するAmazonで検索する日本の古本屋で検索するヤフオクで検索…
1985年6月、神無書房から刊行された八重洋一郎(1942~)の第2詩集。装幀は渡辺英行。第9回山之口貘賞受賞作品。 目次 序Ⅰ 渚で 悲しみのソルト・レイク 青 翳(ひ) 変壊(へんね) 生誕 サーカス えんじ 蠢 play 白虹 咆哮 Ⅱ 言明 禁域 さけび 漂流 胸飾り…
2006年7月、思潮社から刊行された日和聡子の第4詩集。装幀は菊地信義。 目次 朱雀 追儺 桃源行 灌仏会 蠑螈 田螺の述懐 七夕 盂蘭盆 博 聴くに盃 紅葉狩図 愛の説法 歴史手帳 維新 虚仮の一念 NDLで検索するAmazonで検索する
1979年5月、露青窓から刊行された池井昌樹の詩集。挿画は鈴木翁二。 目次 童(わらし)や貴婦人 別人 インシュリン うづまる 〈夜学〉の頃 夜の隣家 手の鳴るほうへ 除蟲菊 御中 家持の病気 月の夜道で (これはきたない) 多摩霊園 求心 心臓病幻想 淡彩 ND…
1963年3月、思潮社から刊行された白石かずこの詩集。写真は沢渡朔、レイアウトは園原淳。第14回H氏賞候補作。 目次 Now is the time もうそれ以上おそくやってきてはいけない Wandering for the Sun ニックとミュリエル ハド…
1975年9月、思潮社から刊行された多田智満子/村上芳正の詩画集。 そしてひとつの挿話が終り、ひとつの夢が死ぬ度に、小さな墓がしつらえられ、短い墓碑銘が刻まれる。眼をとじれば私のなかにはいつの間にか数多の墓標が立ちならび、私自身、すでに荒寥たる…
1991年5月、スタジオ・ムーブから刊行された八木幹夫の詩集。装幀は市村二郎。 目次 め け かげ みみ むね あそこ ほくろ しり つめ かお しもん たましい はな て あし は かた ほね はら かわ からだ あとがき 日本の古本屋で検索ヤフオクで検索
1967年12月、創文社から刊行された角田清文の第3詩集。 『イミタチオクリステ』とは、この詩集におさめられた作品の大半が主イエス・キリストにかかわっているからではない。論理と詩、批評家と巫女、現代詩と伝統詩(短歌俳句)、日本とヨーロッパ。これら…
1957年8月、書肆ユリイカから刊行された安東次男の詩集。「今日の詩人双書〈第2〉」。表紙は村上美彦、写真は井上多恵子、リトグラフは稗田一穂、挿絵は桂川寛、作曲は井上多恵子。 目次 安東次男論・飯島耕一 俳句 成年 花々 テルコとナナ 佐渡 六月のみど…
1982年11月、七月堂から刊行された菊田守の評論集。Ⅰは詩誌「砂」に、Ⅱは詩誌「銀河」「幻視者」に掲載された。 目次 Ⅰ 思い出 詩集『鉄塔のうた』 詩集『銀杏挽歌』 詩を書きはじめた頃 詩集『水勢のなかで』 杉克彦と詩友 詩集『伐採』 詩集『浮上の意味』…
1973年6月、国文社から刊行された水出みどりの第2詩集。装幀は和田徹三。版画は岡部昌生。 目次 明るい日ざしのなかで 髪の森にわけ入ると おまえのなかに 森の繁みを行くと 黄昏が 夜の森に流れる 森の奥でのろしがあがる 森が叫ぶ ふいに 森の奥に眠らない…
1971年6月、深夜叢書社から刊行された高橋秀一郎の第3詩集。1964年から1971年1月までの間に書かれたもの。装幀は山本美智代、口絵写真は高橋鉄春。 目次 1 死すべき街への序 びしょ濡れ ゴリラ 不確かな始動 胎児譚 幻化を越えるために 降下譚Ⅰ 降下譚Ⅱ 果…
1957年、昭森社から刊行された黒田三郎(1919~1980)の第3詩集。挿画は福澤一郎(1898~1992)。 一九五〇年から五四年までの五年間に、僕がかいたのは、この六篇の作品だけである。 これが詩といえるかどうか、作者としては、ここにひとるの「渇いた心」が…
1955年6月、昭森社から刊行された黒田三郎(1919~1980)の第2詩集。戦前、原稿状態になっていた三冊の詩集『罌粟に吹く風』『影の狩猟者』『悲しき女王』を再構成し一冊の詩集としたもの。 目次 第一部 道 砂の道 砂上 未来 またあした 第二部 見てゐる眼 …