2018-01-04から1日間の記事一覧

水のない川 島田千鶴詩集

1981年6月、詩学社から刊行された島田千鶴(?~2017)の第1詩集。解説は笹原常与。第19回群馬県文学賞受賞作品。 目次 水のない川 川には水が 赭い土 そこらいちめんはなだらかな 噴水 水はそのままで 愛 私はどこへゆくようにも 子供 きみの腕のねじれてい…

流亡記 山佐木進詩集

1979年11月、みちのく印刷から刊行された山佐木進(1943~)の第1詩集。 つんのめるように生きていた青春の時からいつか詩集を出さなければと思っていた。だがいざ実際に詩集を編む段になると、なんとなく気恥しい気がしてならない。詩集を出すことによって…

黒風 岸本マチ子詩集

1978年4月、オリジナル企画から刊行された岸本マチ子(1934~)の第1詩集。装画は森村惟一。第1回山之口貘賞受賞作品。 目次 序 深い水脈 井上光晴 紙飛行機 赤木 指は いぬわし 多分そのうち 開花期 過去 春 どくだみ あの時空を彩ったあれは 春のロンド 虹…

ざくろ 上村弘子詩集

1971年9月、昭森社から刊行された上村弘子(1932~)の第1詩集。著者自装。 庭の数本のざくろが、芽吹き、花を咲かせ、実を結び、四季の扉を開閉する。私は、窓辺のざくろと語り、慰められ、あるいは、仲違いをしながら、三年の歳月をひとりの部屋で暮してき…

わたしの右 よしだひろこ詩集

1981年11月、詩学社から刊行されたよしだひろこの第2詩集。著者自装。扉絵は豊田一男。 街を歩いていると、永遠に止った刻のなかにいるような奇妙な錯覚をおこすことがある。いつかしら私はその刻のなかに、自分の原素をばらばらに忘れてきてしまったのかも…

海猫 黒岩隆詩集

1986年11月、花神社から刊行された黒岩隆(1945~)の詩集。装幀は林立人。 「森へ」と題された、ムンクの木版画が気に入って、その絵葉書を額に入れて、階段の登り口に飾った。「何処へゆくの」「森へ」といった具合だ。その絵は、ほぼ画面いっぱいの茶色い…

鳥葬 本多利通詩集

1979年5月、永田操により刊行された本多利通(1932~1989)の詩集。装幀は黒木郁朝。刊行時の著者は延岡市消防署勤務。 わたしは石に打たれて死ぬであろう天に向く檜の黒い密林のうえをわたしの眠りは白い鏡のように落ちて来る鷹よ わたしの胸を破れ 渡辺修…

室蘭 下村康臣詩集

2000年3月、ワニ・プロダクションから刊行された下村康臣の長篇詩集。 序 何年間も投げてあった草稿に手を付けるに際して(病を得なければ、文字通りそれは反故になったでしょう。作品の価値の原器は今の私には無意味です)、偉大な先輩達に感謝します。摂取…