1981年11月、詩学社から刊行されたよしだひろこの第2詩集。著者自装。扉絵は豊田一男。
街を歩いていると、永遠に止った刻のなかにいるような奇妙な錯覚をおこすことがある。いつかしら私はその刻のなかに、自分の原素をばらばらに忘れてきてしまったのかもしれない。ときどき遠くから私か呼んでいるような気がする。やはり私は、空を見ているのであろうか。(「あとがき」より)
目次
- 町に住む
- 忘れた冬
- 鏡
- 日常Ⅰ
- 日常Ⅱ
- 日常Ⅲ
- 猫のような
- 小鳥が死んだ
- 昨日が終わる
- 幻が住む
- 旅
- 翔んで
- 扉
- けはい
- エスカレーター
- 庭
- 五月になると
- 眼のある部屋
- わたしの右
- 夜
- 夢を抱く
- 用のない日々
- 火焔樹
- 墓碑
- 神木
跛 君の左側に 会田綱雄
あとがき