2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

わが詩わが夢 長谷江児の霊に棒げる  坂本稔

1979年1月、泰樹社から刊行された坂本稔(1929~)の詩的自伝。 私も土佐に生まれ、そこに育ったが、いつか書いたように、幼い日の自分の目で見た風景を、追憶のなかで折ふし解読することだけが、故郷とのわずかなかかわりとして残っている。私も時あって土…

秘めたる戀 徳田秋聲

1918(大正7)年7月、新潮社から刊行された徳田秋聲の通俗小説。画像は19年4月の第4版。初出は「婦人公論」1917年7月~18年5月連載。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

平出隆詩集

1977年12月、思潮社から刊行された平出隆(1950~)の第2詩集。挿画は鈴木翁二(1949~)、装幀は菊地信義(1943~)。新鋭詩人シリーズ1。 逡巡ののちにしても、こうした変則的な形で集をまとめることに手を打ったのには理由があった。 昨年初め処女詩集『…

抒情歌 川端康成自選集

1934年、竹村書房から刊行された川端康成(1899~1972)の自選短編集。装幀は木村荘八(1893~1958)。 目次 抒情歌 浅草の姉妹 水仙 春景色 青い海黒い海 寝顔 伊豆の踊子 二十歳 十六歳の日記 書評等 川端康成「抒情歌」論 第1週(近研ブログ)川端康成「…

わが町 織田作之助

1943年4月、錦城出版社から刊行された織田作之助(1913~1947)の長編小説。装幀は田村孝之介(1903~1986)。 「わが町」といふ題名は作者にとつていささかの意味をもつてゐる。 わが町とはこの作品の主人公である佐渡島他吉が夢みて來たマニラのことには無…

霧の中 田宮虎彦

1948年6月、沙羅書房から刊行された田宮虎彦(1911~1988)の短編小説集。 目次 霧の中 三界 現身後生 江上の一族 此のひとすぢ かるたの記憶 山川草木 笹りんだう あとがき 書評等 田宮文学の真髄は「落城」と「霧の中」(古沢襄)田宮虎彦 「霧の中」(七…

魚介 林芙美子

1940年12月、改造社から刊行された林芙美子(1903~1951)の短編小説集。画像は41年1月の18版。装幀は佐野繁次郎(1900~1987)。 目次 魚介 運命 幸福の彼方 花庭 霙の駅 遠い朝 愛情 名流夫人 書評等「魚介」ちくま文庫『林芙美子集』(Every Day's Sunday…

村岡伊平治自伝

1960年12月、南方社から刊行された村岡伊平治(1867~1943)の自伝。村岡は女衒として知られる。 目次 第一編 南支時代 第一章 発端 第二章 香港 第三章 船員生活 第四章 天津 第五章 上海 第六章 厦門 第二編 シンガポール時代 第一章 生活安定の道 第二章 …

荘厳なる詩祭 死を賭けた青春の群像 松永伍一

1970年11月、田畑書店から復刊された松永伍一(1930~2008)の評論集。装幀は宇野亜喜良(1934~)。 ふりかえってみると、私にとっては詩について書くということは所詮詩人について書くということと同義であった、というふうに結論づげられる。そのよしあし…

漂う岸 片岡文雄詩集

1988年6月、土佐出版社から刊行された片岡文雄(1933~2014)の第11詩集。装画は片木太郎。第13回地球賞受賞。 目次 Ⅰ 象 アオバズク 腰のない馬 死馬 冬の蝉 沖縄の蝉 白鷺 オオサンショウウオ ふいの友 ジュウシマツ(その一) 朝 ジュウシマツ(その二) …

普通の女 高橋順子詩集

1993年9月、書肆山田から刊行された高橋順子(1944~)の第5詩集。装幀は亜令。 目次 山ゆり 自然のように あなたとは 沢ガニ 木下を 紐1 普通の女 からまつ林 舌平目 セミ 四行詩の風景 雪 彼岸花 大きな海 はじめてのパリ 野鳥の森公園にて 雪景色 はじめ…

星はみどりに 大田洋子

1942年5月、有光社から刊行された大田洋子(1906~1963)の少女小説。装幀は藤川榮子。 目次 星はみどりに 囘生 秋の終りの夜 粉雪 良人 早春の頃 別れ NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

焔の舌 岩野泡鳴

1920年11月、日本評論社出版部から刊行された岩野泡鳴(1873~1920)の戯曲集。 目次 三角畑 労働会議 佐用姫 閻魔の眼玉 焰の舌 神楽坂下 魔の夢 解剖学者 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

徳田一穂 縛られた女

1938年6月、砂子屋書房から刊行された徳田一穂(1903~1981)の第1著作集。 目次 縛られた女 鰺ケ澤 白い姉妹 通信員 花影 遊び仲間 年賀状 臆病神 初戀物語 花結び 花粉 ネクタイ 餘韻 夜の庭 瑕ある海 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

でらしね 小林坩堝詩集

2013年10月、思潮社から刊行された小林坩堝の第1詩集。装幀は斎藤種魚。付録栞解説は瀬尾育生(1948~)。 目次 パースペクティヴ・パラノイア あなたの、あなたを、あなたですか ヒカ 薔薇は咲いたら枯れるだけ 機械 さよなら夢幻島 踊れない 叙景――黒く塗…

in Japan  丸本明子詩集

1968年11月、日東館から刊行された丸本明子(1929~)の第2詩集。 目次 まえがき 伊勢田史郎 鉛色 いけにえ 若者 四次元 カンザシ 凶 ゆれている ある午後 安定感 睡魔 針山 悲しい讃歌 真黒い煙 1馬鹿おどり 2幻惑 いや こわい現実 ボディーアート 庖丁 The…

雁 伊藤永之介

1939年2月、春陽堂書店から「生活文学選集」の第二巻として刊行された伊藤永之介(1903~1959)の長編小説。装幀は中川一政(1893~1991)。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

わたしは燃えたつ蜃気楼 吉増剛造詩集

1976年2月、小沢書店から刊行された吉増剛造(1939~)の第6詩集。装本は加納光於。 目次 Ⅰ わたしは燃えたつ蜃気楼――「風」からパルメニデスへ ブラジル紀行 処女航海 クレジオ・悪魔祓い 石の上で打つ音 記憶のオモチャ箱 聴覚の沖にみえている 古代歌謡の…

現代詩花椿賞30回記念アンソロジー

2012年12月、資生堂企業文化部花椿編集室から刊行された、現代詩花椿賞30回記念ののアンソロジー。編集は、上岡典彦、野村光信、塚田優子(花椿編集室)、藤井一乃(思潮社)、装幀は三浦遊(資生堂宣伝制作部)、写真は伊東祥太郎(資生堂宣伝制作部)。 資…

月の山 阿部岩夫詩集

1983年3月、書肆山田から刊行された阿部岩夫(1934~2009)の第4詩集。 この二篇の長篇詩は、一九七六年から一九八二年までの間に少しずつ書いたもので、詩集としては、『不羈者』(一九八一年)につぐ四冊目のものです。「月の山」は『文藝』に、「赤き川」…

燈火節 片山廣子

1953年6月、暮しの手帖社から刊行された片山廣子(1878~1957)の散文集。装本は花森安治(1911~1978)。画像は1954年5月の再版版。 もう二十何年か前、昭和の初めごろ、私は急に自分の生活に疲れを感じて何もかもいやになつてしまつた。それまで少しは本も…

大扶桑國 貴司山治

1942年11月、全國書房から刊行された貴司山治(1899~1973)の海洋小説。装幀は田村孝之介(1903~1986)。 目次 發端篇 モロ族の小船 大發願記 ネグリートの婚禮 ルソン島の鶯 ドン・ロドリゴ來朝記 扶桑國問答 金銀島探檢 フランソワ大友の娘 ソテロの小屋…

夢ノ説 松本邦吉詩集

1989年7月、書肆山田から刊行された松本邦吉(1949~)の第5詩集。装幀は青山杳。 本書はこれまでの私の詩集とはその成立事情がいささか異なる。これまでは比較的短期間のうちにあるひとつのテーマに沿って書きすすめ、書き了え、それを一著と成してきたが、…

MU カニエ・ナハ詩集

2014年10月、ポプルスから刊行されたカニエ・ナハ(1980~)の第2詩集。装幀は著者。表紙写真メル(舞)×著者(撮影)。 目次 無間密林 永劫回避 無音花火 草獣虫魚 山火事記 西瓜協定 白不在音 予兆円周 二〇一号 牟尼無色 東洋眼虫 小夜小話 山童山母 地獄…

化車 廿楽順治詩集

2011年4月、思潮社から刊行された廿楽順治(1960~)の第3詩集。装幀、挿絵は宇田川新聞。第62回H氏賞受賞。 目次 爆毋 爆毋 父顕 頭盆 具伝 伸仏 抜伝 新大津歩道橋 みじかい ねむっている 漏刻 漏刻 化車 劣化鉄道 草濛 やちまた 化車 書評等詩はどこにあ…

静かな夜の記録 平塚景堂詩集

1990年7月、編集工房ノアから刊行された平塚景堂(1949~)の第1詩集。 現在、わたしには詩を書く習慣がほとんどない。詩集も余り読まない。詩人というひとたちも知らない。それなのに、いつの頃からか、詩というものは何か根源的なまっさらな問いの形式とし…

詩論集・詩的弾道――同時代覚書・下 北川透評論集

1979年8月、思潮社から刊行された北川透(1935~)の評論集。写真は森山大道(1938~)、装幀は三嶋典東(1948~2012)。 本書は、【現代詩手帖】一九七六年四月号から、一九七九年四月号まで、三年間二十回にわたって断続的に連載した「詩と批評の闇渠(同…

詩論集・詩的火線――同時代覚書・上 北川透

1979年6月、思潮社から刊行された北川透(1935~)の評論集。写真は森山大道(1938~)、装幀は三嶋典東(1948~2012)。 *本書に収めた評論は、【現代詩手帖】一九七六年四月号から、一九七九年四月号までの三年問に、二十回にわたって断続的に連載した「…

離島まで 鳥巣敏行詩集

1979年10月、駒込書房から刊行された鳥巣敏行(1938~)の第1詩集。ブックデザインは村上善男。栞解説は彦坂紹夫(1936~)。 目次 Ⅰ物語 物語その一 物語その二 西の果ての楽隊 西空 軽さ 離島まで 五島荒川 傘 胃の中の外燈 人魂 六箇の目玉 片渕町三丁目 …

消えた太陽 アレクサンドル・グリーン

1996年6月、国書刊行会から刊行されたアレクサンドル・グリーン(1880~1932)の短編小説集。翻訳は沼野充義(1954~)と岩本和久(1967~)。 目次 消えた太陽 犬通りの出来事 火と水 世界一周 おしゃべりな家の精 荒野の心 空の精 十四フィート 六本のマッ…