1989年7月、書肆山田から刊行された松本邦吉(1949~)の第5詩集。装幀は青山杳。
本書はこれまでの私の詩集とはその成立事情がいささか異なる。これまでは比較的短期間のうちにあるひとつのテーマに沿って書きすすめ、書き了え、それを一著と成してきたが、本書の場合、収載した作品は、断続的ながら一九七六年から一九八七年のおよそ十二年間に制作し、発表したもので、「夢ノ説」という名と遭遇し、初めて自らの居場所を得たといえる。(「編集後記」より)
目次
- 向う側への旅
- 鏡のかけら
- ランチュウ
- 夕日
- 蠟人形
- U字型
- 線香花火
- 口紅
- FM東京・フライトインフォメーション
- かわらけ坂
- 低空飛行
- 深夜のドライブ
- 縒りわける
- 花咲き男
- 逃亡
- 座席の坐り心地
- 親父と赤ん坊
- 血
- 山道で
- 船上の殺人
- 旅の途中
- 喫茶店「ミルキー・ウェイ」の想い出
- ムッシュウ・Mの朝の旅
編集後記