1976年2月、小沢書店から刊行された吉増剛造(1939~)の第6詩集。装本は加納光於。
目次
Ⅰ
- わたしは燃えたつ蜃気楼――「風」からパルメニデスへ
- ブラジル紀行
- 処女航海
- クレジオ・悪魔祓い
- 石の上で打つ音
- 記憶のオモチャ箱
- 聴覚の沖にみえている
- 古代歌謡の息吹き
- 聴診器を胸にかけて電話口にいる
- 頭脳が細かく揺れて
- 打ち靡く言葉
- 一語の魅力
- 深い浮世の奥へ
Ⅱ
- 大手拓次ノート
- この黒いオルフェ――正津勉
- ルネサンスの手紙――飯島耕一
- イイヨシさんの鍵――飯吉光夫
- 皮ジャケッ卜の繩文人――諏訪優
- 藤村と透谷
- 神秘的な表面張力――吉岡実
- うねる眼差し――クロソウスキー
- 織物の記憶――豊崎光一
- 安東次男の眼
- 鬼の華・極の透視図――渋沢孝輔
- 小川国夫――血のにおいのする織物あるいは街道感覚
Ⅲ
- 流れ灌頂
- 眼・バリケード
- 殺意の誕生――東松照明
- Nile, Shimokitazawa――淀井彩子
- Fontainebleau の、森の――森仁志
- 葦の舟の、ラー――渡辺隆次
- 日陰かずらよ、サボテンよ
- ユートピア? と問われて
- 夜は千の眼をもつ
- 暗闇に酔う
- 水の輪廻
- 小田急に乗って何処へゆく?
- スペインの雲
- 冥府アムステルダム
- アポロと夕陽
- モーツァルトか朝日山――田畑あきら子
- 死の一方通行路――ダイアン・アーバス
- 川のほとりの古木の根かた――ベルイマン
Ⅳ
- 王国ノート
- リズムの魔に吹かれて恋の山にいたる
- 引潮
- 危機感について
- 見ることを拒否する
- 虚空を指差す、そして叫ぶ
- 若者よ身体を鍛えておこう
- ナルシシスムの復権
- 乞食の思想