1975年10月、大和書房から刊行された岸田今日子(1930~2006)の童話・エッセイ集。装画は味戸ケイコ。
子供が眠る前に、自分で作ったお話をしてあげるというのが、永い間の夢でした。
そして、そういうお話をどんどん書いて、あわよくば童話作家になれたらとさえ思っていました。
でも、子供は自分で本を読みながら眠る様になり、私も才能の限界を感じて、その野望は目下、挫折状態です。
良い母親でありたいと思いながら、三歳の頃の子供に「してあげたお話」がいくつか。
少し悪い女でもありたいと思いながら書いた、「子供にしてあげなかったお話」がいくつか。
六歳になった子供と私とのエピソードや、ディスクジョッキーで話した、「わたしが逢ったひと」等は、此の一年位の間のものですけれど、「6音6画」は、もう十二、三年前に書いたものです。ちょっと古すぎるのでどうかと思いましたけれど、おすすめがあって入れることになりました。
(「あとがき」より)
目次
・子供にしてあげたお話
- 縞ねずみになぜ縞ができたかのお話
- 白い画用紙に白いクレヨンで白い小鳥を描いたお話
- 母さんが左手の小指のせいでピアノが弾けないお話
- まゆが公園に行った時、母さんが何をしてたかのお話
・女の子=六歳
- 出産
- なくしもの
- てぶくろ
- 誘拐
- お風呂
- 笑えば緑
- てがみ
- さんすう
- 診察
- 馬
- 職業
- 母性愛
- 飛び箱
・6音6画
- フェルトの調べ
- なつかしの天どん
- 世にも不思議な…
- 死後のたしなみ
- あき別荘の怪
- ダメ出し魔
- 五足目のワラジ
- 重ねた座ブトン
- 裏返しの時計
- 会いたかった人
- カストロの童話
・わたしが逢ったひと
- バスの中で
- タクシーの中で
- 稽古場で
- 雨のふる道で
- デパートで
- 友だちの家で
- 客席で
- 新幹線で
・子供にしてあげなかったお話
- ハイシャの話
- 香港の黒豚
- うさぎごころ
- お兄ちゃま
- 人形
あとがき
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