2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

故郷 山本かずこ詩集

1995年6月、ミッドナイト・プレスから刊行された山本かずこの詩集。装幀は永畑風人。 あれは、ヒツザンでしょう。わたしは母にたずねる。そうよ、あれはヒツザンよ。筆の山と書いて。ヒ・ツ・ザ・ンと読むのよ。 母は文字を知らない子供に向かって、いちから…

アメジスト紀 北爪満喜詩集

1991年5月、思潮社から刊行された北爪満喜(1958~)の第2詩集。装幀は芦澤泰偉、栞解説は吉田文憲。 常に辿りつけな、至り尽くせない。そういう思いを胸にかかえていることがある。たとえば捜そうとしてもどうしても捜しだせない街のように。たしかにそこで…

耳のそこのさかな 北畠八穂

1968年10月、ポプラ社から刊行された北畠八穂(1903~1982)の童話(「創作童話6」)。絵は佐藤米次郎(1915~2001)。 目次 百人前おばあさん きゅうにかわった ぼたんのまる 茶右衛門(ちぇうもん)やしき ノリなめやっこ ねむいばんのカラス めざましスズ…

人間襤褸 大田洋子

1951年8月、河出書房から刊行された大田洋子(1906~1963)の長編小説、装幀は中村研一(1895~1967)。4回女流文学者賞受賞作品。 書評等大田洋子を読む(1)人間襤褸(Interior) NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

家 大野新詩集

1977年10月、永井出版企画から刊行された大野新(1928~2010)の第3詩集。H氏賞受賞作品。 目次 母 地霊 聖家族 人質 家の崩潰 とがった椅子 死者にたむける水のいちにち 境 見しらぬ挨拶 子の喩法 after dark 老視 窓 一九七五年前夜 添寝 おくつき 風邪の…

氷河期の枝 寺西恭子詩集

1987年4月、地球社から刊行された寺西恭子(1953~)の第2詩集。装幀は栄隈真鳳、装画は小高由里子。 目次 I 春の髪 化粧水 桜 自画像展 春の髪 フリージア 金魚 五月の髪 ものさし T字路 ジャスミン 布団 ルーレット 祝婚歌 Ⅱ 最初の滴 クロワッサン 最初…

危険な関係 池田みち子

1954年11月東方社から刊行された池田みち子(1910~2008)の長編小説。装幀は佐藤泰治(1915~1960)。画像は裸本。 目次 大切な人 アパート申込 恋人と友達 見合写真 アパート生活 新たな客 行きづまり 妊娠 崩れる愛情 告白 谷川という男 善良な男 借金 手…

数奇な木立ち 手塚敦史詩集

2006年6月、思潮社から刊行された手塚敦史(1981~)の第2詩集。 目次 原稿に必要なインキを集めて 一一一 五八 六三 五一三 一一七 一一一一 四三 一一二九 一一一三 四五 四二〇 五五 ふれあう迷える子* ふれあう迷える子**――巣 なくしたノートに、忘れ…

真夜中の太陽 一色真理詩集

1984年2月、花神社から刊行された一色真理(1946~)の第5詩集。装画は宇佐美爽子(?~2012)。 一九八二年以降二年間の作品を集めました。『夢の燃えがら』に続く五冊目の作品集にあたります。 簡単に、本書の意図を自分なりに書いておきます。 第一に、全…

天使・蝶・白い雲などいくつかの瞑想 辻征夫詩集

1987年5月、書肆山田から刊行された辻征夫(1939~1954)の第6詩集。装画は横田稔。第25回藤村記念歴程賞受賞作品。 目次 拳銃とおくの、白い雲天使濡れている樹木珍品堂主人、読了セリ梅はやきかなむらさきの蝶蝶瓶ヨコタさんの版画展屑屋の瞑想録黙読 NDL…

ヴェルレーヌの余白に 辻征夫詩集

1990年9月、思潮社から刊行された辻征夫(1939~2000)の第8詩集。第21回高見順賞受賞。 たこ八郎は、元全日本フライ級チャンピオン斎藤清作である。現役時代カッパの清作といわれたこのチャソピオンは、試合中にいきなり腕をだらりと下げ、足も止めて顔を突…

烏有の人 財部鳥子詩集

1998年6月、思潮社から刊行された財部鳥子(1933~)の第11詩集。装幀は金山常吉。第6回萩原朔太郎賞受賞作品。 およそ五、六年の間に書いた詩を整理してみると、いつも現代の生々しい中国の詩に接近しては、自分も詩を書いている。そこを入り口にして滅びた…

蒼い馬 滝口雅子詩集

1955年4月、書肆ユリイカから刊行された滝口雅子(1918~2002)の第1詩集。装幀は木原孝一。画像は裸本。著者は朝鮮・京城生まれ、刊行時の職業は国会図書館司書。 この詩集には、一九四六年から一九五四年の約九年問の作品のなかから選んだものを収めました…

ささぶね船長 永井萌二

1955(昭和30)年11月、新潮社から刊行された永井萌二(1920~1993)の長篇少年少女小説。 装本は野間仁根、挿絵は六浦光雄(1913~1969)。上野の浮浪児の少年の物語を実在のモデルの手記をもとにして描いた。 目次 牧子はせっせとメダルをつくる 春雄はも…

花園の消息 川上喜久子

1942(昭和17)年1月、第一書房から刊行された川上喜久子(1904~1985)の短篇小説集。装幀は第一書房の長谷川巳之吉(1893~1973)。 目次 花園の消息 慾 歳月 立春・蕗の薹 山靈 童女像 孝不孝橋 生命の川 大塊老人 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで…

飢火 生野幸吉詩集

1954年、河出書房から刊行された生野幸吉(1924~1991)の第1詩集。釘装は生野三郎。 目次 序にかえて 前田棟一郞 しほさゐ しほさゐ(四六・八・二五) このひるの・(四六・九) 針 むぎばたけその他の素描(五〇・五―七) ひかりといふひかりが・(五〇・…

隠す葉 蜂飼耳詩集

2007年9月、思潮社から刊行された蜂飼耳(1974~)の第3詩集。装幀は菊地信義(1943~)。第16回萩原朔太郎賞候補作品。 目次 両目をあやす黒と白 隠す葉 鳩の皿 熊 扇男 知らない人についていく 沼 桃 黙契 角 突貫工事 太陽を持ち上げる観覧車 ばらばらの…

鋼鉄の足 滝口雅子詩集

1960年3月、書肆ユリイカから刊行された滝口雅子(1918~2002)の第2詩集。第1回室生犀星詩人賞受賞。著者は朝鮮・京城生まれ、刊行時の職業は国会図書館司書。 一九五五年五月に「蒼い馬」を出してから五年たった。そのあとがきで私は、水のなかから出てい…

海亀に聴け 稲垣瑞雄詩集

1997年4月、思潮社から刊行された稲垣瑞雄(1932~2013)の第2詩集。装幀は村松秀太郎(1935~)。 ぼくに師はいない ひれ伏すべき神も 従うべき群もない だから自由に書く だが自由とは またなんと不便なものか 気がつくといつのまにか 自らに枷をはめてい…

古賀廃品回収所 古賀忠昭詩集

2015年10月、書肆子午線から刊行された古賀忠昭(1945~2008)の第6詩集。装幀は田代しんぺい。 本詩集の著者・古賀忠昭は二〇〇八年四月十四日に亡くなっている。亡くなる直前までの二年間に書き連ねた詩篇を編集して、生前の二〇〇六年十二月には『血ん穴…

巴里 叛逆者の告白 岡田三郎

1948年8月、東京玄文社から刊行された岡田三郎(1890~1954)の長編小説。装幀は小竹義夫(1914~1994)。新潮社版(1924) 、明石書房版(1940)の復刻。 魚河岸を活写した小竹義夫(釧路) NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

佛印への途 小松清 

1941年12月、六興商會出版部から刊行された小松清の仏印(現在のベトナム、ラオス、カンボジア)ルポルタージュ。装幀は小川眞吉。2002年、ゆまに書房から『文化人の見た近代アジア (18) 復刻 仏印への途』の名称で復刻されている。 目次 序にかへて 佛印の…

お嬢さん 吉屋信子

1946(昭和21)年9月、新世紀社から刊行された吉屋信子(1896~1973)の長編小説。装幀は中原淳一(1913~1983)。画像は裸本。 目次 三女、規矩子 姪にもてる男 黄昏の鋪道 一つの時代 その二 藤子 あだ花 くされクーパー 海老のお吸ひもの 春宵雨語 彼女の…

人生再建 南川潤

1942年8月、淡海堂出版から刊行された南川潤(1913~1955)の長編小説。装幀は古澤岩美(1912~2000)。 目次 急行列車 女の家 東京の風俗 感情の設計 花の蕾 飾窓 朝の心 血と肉 十二月八日 架けられた橋 女性の言葉 新しき顏 第二幕 愛情について 祝宴 男の…

文鳥 堤千代

1947年9月、東西社から刊行された堤千代(1917~1955)の小説集。装幀は村上蘭田。堤千代は1940(昭和15)年に直木賞受賞。 目次 文鳥 過去からの呼聲 兄弟 風の夜 櫻草 見合 俤 石の象 花束 雲 母と子 月夜 ハーモニカ 化粧箱 妻達 再會桃代 NDLで検索日本…

第二愛の詩集 室生犀星詩集

1919(大正8)年5月、文武堂書店から刊行された室生犀星(1889~1962)の第4詩集。装幀は恩地孝四郎(1891~1955)。画像は裸本。 目次 自分の本道 永久に ひきずり落した天國 散歩 小さい家庭 春の開始 まだ知らない友 めぐみを受くる 深い孤獨の中 若葉は…

バスハウス 石井辰彦歌集

1994年7月、書肆山田から刊行された石井辰彦の第3歌集。装幀は加藤光大郎。 目次 I横濱Ⅱタンジールのテラスで東へ東京=ソドム または新宿で夜を明かす沈默の野Ⅲバスハウス 上バリサイドの日記バスハウス 下 跋 引用作品一覧初出一覧 NDLで検索日本の古本屋…

身抜き、光る 鈴木志郎康

1985年9月、書肆山田から刊行された鈴木志郎康の短編小説集。装幀は小林清恵。 目次 他人の存在 いまだ明けやらぬ朝 夜のしるべ 日溜りの中で おいしい水 やさしい男 夜の窓枠 夕景の繋ぎ 白昼の黙劇 身抜き NDLで検索Amazonで検索本の古本屋で検索ヤフオク…

ふちなし帽 トーマス・ベルンハルト

2005年8月、柏書房から刊行されたトーマス・ベルンハルトの短篇集。翻訳は西川賢一。 目次 二人の教師 ふちなし帽 喜劇? 悲劇? ヤウレク フランス大使館員 インスブルックの商人の息子が犯した罪 大工 クルテラー イタリア人 断片 森林限界で ベルンハルト…

点火期 杉本真維子詩集

2003年9月、思潮社から刊行された杉本真維子(1973~)の第1詩集。第40回現代詩手帖賞受賞。写真は著者、カットはカンディンスキーDREISSIGより、栞解説は横木徳久。 目次 百年 朱色に熟れるランドセル 声 点火期 発色 制服とゆうひ 家 28番目の、 甘い芽 魂…