2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

現代詩つれづれ草 清水哲男

1993年10月、新潮社から刊行された清水哲男のエッセイ集。挿画は小島武。 この本は、世間によくある詩の入門書でもなければ鑑賞の手引きでもない。 私がこの本で言いたかったのは、いまどきの詩(現代詩)はとても面白いということ、「ね、ウソじゃないでし…

夢と幻想と出鱈目の生物学評論集 小笠原鳥類詩集

2015年2月、ポプルスから刊行された小笠原鳥類の第3詩集。装画は著者。装幀は白砂ユキ。 目次 おお、ペンギンが、南極と宇宙と湖を移動する ヘッセのヴァイオリンの詩を読み、鳥は木に蝟集する虫を喰う コマイの干物は宇宙から来た。ああ。 あらゆるデザイン…

一九七三年ある日ある時に 戸塚美波子詩集

1981年1月、総映出版から刊行された戸塚美波子(1947~)の第1詩集。画像は9月の増補改訂版。装画は戸塚隆利。 目次 鏡のなかのおまえ 生きるっていうこと そこに潮騒があった 私はアイヌだったのだ 血と涙の大地 笑いばなし 一九七三年ある日ある時に 一九…

新しき詩論 春山行夫

1940年3月、第一書房から刊行された春山行夫(1902~1994)の評論集。 ギリシヤの詩人達は一日の最初の時刻に起きた。用を足して祈りを捧げた。それから馬車に乗つて静かな場所を彷徨い、家にかへつて少し休憩した。食事をとるまえに油を塗つて身體を綺麗に…

ジャミラ祈念日 ウルトラ怪獣のためのレクイエム 松本賀久子詩集

2000年6月、風塵社から刊行された松本賀久子(1962~)の第3詩集。怪獣解説は原田実(1961~)。 目次 バルタンの星(バルタン星人) ジャミラ祈年日(ジャミラ) 271号(ダダ) ゲスラの海(ゲスラ) ピグモンは眠るか(ピグモン) レッドキング(レッドキ…

死と死のあいだ 黒田三郎

1979年3月、花神社から刊行された黒田三郎(1912~1980)の評論集。装画は伊谷知治。 「死と死の間」というのは、ひとりの人間が心の中で思っている死と、実際の死との間というほどのことである。つまり生、と言ってしまえば身も蓋もない。人生をこういうふ…

雪明りの路 伊藤整詩集

1926(大正15)年12月、百田宗治(1893~1955)の椎の木社から刊行された伊藤整(1905~1969)の第1詩集。画像は復刻版。 詩集を出すことなど考へもしなかつた私も、自分の為のこの小さな記念碑をたてる事になつた。考へてみれば十五六の年からもう七八年も…

主婦は八百屋に娘は水に 奥寺佐渡子詩集

1986年5月、新風舎から刊行された奥寺佐渡子(1966~)の第1詩集。イラストは著者。奥寺は「学校の怪談」「サマーウォーズ」等で知られる脚本家。 目次 主婦は八百屋に娘は水に 熱血クロコダイルの生涯 オリオン座 七月二十六日 手首 退化の夏 布団 パルス …

愛の別れ 蓼科の悲しみの詩 中尾彰詩集

1971年新潮社から刊行された中尾彰(1904~1994)の第1詩集。装幀は著者。 目次 1 土堤 杖よりも つわぶきの花 涙 芒道 目 冬うぐいす ジンクス 木になる 或る夜 旅仕度 若しも私が 残っていない 休むところ 兵士のように この頃 雪 高遠の桜 2 童女のよう…

八月のパリの黒い汗 嶋岡晨詩集

1978年12月、飯塚書店から刊行された嶋岡晨(1932~)の第11詩集。解説は吉野弘(1926~2014)。表紙写真はパリのバトー・ムーシュの甲板ではたらく黒人とエッフェル塔。 学生のころ私家版で出した『薔薇色の逆説』からかぞえて、これで十一冊目の詩集になり…

単独者の愛の唄 山本太郎詩集

1961年3月、東京創元社から刊行された山本太郎(1925~1988)の第4詩集。装幀は高橋綿吉(1911~1980)。 僕は詩について告白の形以外に書けそうもない。 詩は僕にとって、人生に参加する最も具体的な橋だ。そして詩人は、何よりも言葉の不完全さを思いしる痛…

先端で、さすわ さされるわ そらええわ 川上未映子詩集

2008年1月、青土社から刊行された川上未映子(1976~)の第1詩集。装画は鴻池朋子(1960~)『己の前に立ちあらわれるすべての純潔、すべての無垢、すべての清楚を手あたり次第に踏みにじること』、装幀は名久井直子(1976~)。第14回中原中也賞受賞。 目次…

風を終える 竹内敏喜詩集

1999年1月、彼方社から刊行された竹内敏喜(1972~)の第2詩集。第5回中原中也賞候補作。 目次 ひとつのテーブルと椅子 聖痕 Ⅰ 聖痕 Ⅱ 聖痕 Ⅲ 聖痕 Ⅳ 聖痕 Ⅴ 聖痕 Ⅵ 聖痕 Ⅶ 聖痕 Ⅷ 聖痕 Ⅸ 聖痕 Ⅹ 聖痕 Ⅺ 夏の夜明け Ⅰ 夏の夜明け Ⅱ 夏の夜明け Ⅲ 夏の夜明け …

祭り裏 島尾ミホ

1978年8月、中央公論社から刊行された島尾ミホ(1919~2007)の第2短篇集。初出は「海」1976年8月号~1979年3月号と「伝統と現代」1975年11月号。装幀は島尾伸三(1948~)。第27回女流文学賞候補作。 目次 祭り裏 老人と兆 潮鳴り あらがい 家翳り 潮の満ち…

海の空虚 石井辰彦歌集

2001年11月、不識書院から刊行された石井辰彦の第4歌集。装幀は加藤光太郎。 これは著者の『』(深夜叢書社、一九八二年)、『墓』(七月堂、一九八九年)、『バスハウス』(書肆山田、一九九四年)につづく、四冊目の短歌作品集である。一九九三年から二〇…

木だし 枡谷まさる詩集

2006年9月、編集工房ノアから刊行された枡谷まさる(1925~)の第3詩集。カバー装幀画は穐月明、口絵は著者、装幀は森本良成。 枡谷優は書く拠点を大阪に置くと西鶴系の才知の作家の顔を見せ、家郷の吉野の原点へ心頭を一閃すると野性味ある純朴な詩人に戻る…

頭脳の戦争 岩田宏詩集

1962年7月、思潮社から刊行された岩田宏(1932~2014)の第3詩集。イラストは真鍋博(1932~2000)、装幀は吉岡実(1919~1990)。現代詩人双書/第五冊。 目次 '59 永久革命 やしゃごの唄 ささやかな訪問 比喩の男 忘れっぽい男 さよなら ドンブリの中味 陽…

夢化け こたきこなみ詩集

2006年10月、書肆青樹社から刊行された、こたきこなみ(1936~)、第5詩集。第14回丸山薫賞候補。第16回日本詩人クラブ詩界賞候補。装画は「飛龍に乗る儺神」。 目次 I 奔馬 夢化け 怪しい関係 悪食考 魔法の国 裹窓の奥 花の生涯 飢霊 夏化粧 つかのま こ…

微光と煙 山田兼士詩集

2009年10月、思潮社から刊行された山田兼士(1953~)の第1詩集。題字は谷川俊太郎。 詩集を出すことは一生ないだろうと思っていました。一九七〇年代に詩の豊饒に出会い、あらゆる詩が書かれていることに驚嘆し、その後〈詩論〉を志してから、詩人の鏡に(…

船方一詩集

1958年2月、飯塚書店から刊行された船方一(1912~1957)の遺稿詩集。編集は船方一詩集刊行委員会。題字は政治家(共産党)の春日正一(妻の姉の夫)。 目次 序文 壺井繁治 終戦前(一九三一~一九四〇) 戦後(一九四六~一九五六) 跋文 遠地輝武解説 松永…

愛の詩 塔和子詩集

1995年2月、編集工房ノアから刊行された塔和子(1929~2013)の第13詩集。表紙は西脇洋子。 この詩群は、ある日、ある時のすてきな方との出会いをきっかけにとして、遠い日の恋を想い起こしながら書きましたもので、先に出しました「愛の詩集」につぐもので…

独歩集第二 国木田独歩

1911(明治44)年1月、杉本梁江堂から刊行された國木田獨歩(1871~1908)の短篇集。画像は同月発行の第4版。 目次 竹の木戸 窮死 疲勞 節操 二老人 泣き笑ひ 都の友へB生より 入郷記 肱の侮辱 湯ヶ原ゆき NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

独歩集 国木田独歩

1910(明治43)年9月、杉本梁江堂から刊行された國木田獨歩(1871~1908)の短篇集。画像は1912(明治45)年2月の第16版。 目次 富岡先生 牛肉と馬鈴薯 女難 第三者 正直者 湯ケ原上り 少年の悲哀 夫婦 春の鳥 NDLで検索日本の古本屋で検索 ヤフオクで検索

コトバの生まれる場所 崎山多美

2004年2月、砂子屋書房から刊行された崎山多美のエッセイ集。装本は倉本修。 目次 Ⅰちょつと深呼吸 1たくらみ――いざ、たくらまん 2窓――海が見える 3駆ける――天カケル 4たましい――マブイ漂流 5声――島を渡るウタ 6弁当――オドシ弁 7舞台――变化(へんげ)する 8…

人のかたち鳥のかたち 北川朱実詩集

2003年10月、思潮社から刊行された北川朱実(1952~)の詩集。装画は浅川洋。 目次 ポンペイ 国語の時間 羊のかぞえかた ホーチミンの木 ガーリック・ステーキ 夏の旅 駐車場の木 おさらい 顔をあらう 池本さんの音 馬場の手 こぼれる文字――済州島 遠い魚 屋…

クジャ幻視行 崎山多美

2017年6月、花書院から刊行された崎山多美(1954~)の第6作品集。装本は石原一慶。初出は「すばる」2006年1月号、5月号、2007年1月号、5月号、11月号、2008年3月号。 目次 孤島夢ドゥチュイムニ 見えないマチからションカネーが アコウクロウ幻視行 ピンギ…

南島小景 崎山多美

1996年10月、砂子屋書房から刊行された崎山多美(1954~)の第1エッセイ集。装本は倉本修。 目次 Ⅰ 闇のむこうから 祖母の逝った日 海の上の校舎 至福の時間 記憶の音 あの出会い あの声 島唄狂い ネーネーズ讃歌 あめりか通り バイバイ沖縄 予備校放浪 朝の…

ムイアニ由来記 崎山多美

1999年1月、砂子屋書房から刊行された崎山多美(1954~)の第2作品集。装本は倉本修。 目次 ムイアニ由来記 オキナワンイナグングァヌ・パナス 崎山多美論のために 花田俊典 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

くりかえしがえし 崎山多美

1994年5月、砂子屋書房から刊行された崎山多美(1954~)の第1作品集。装幀は倉本修。附録は「主題としての”シマ”――崎山多美の世界(岡本恵徳)」。「水上往還」(文學界)で第101回芥川賞候補、「シマ籠る」(文學界)で第104回芥川賞候補。 目次 くりかえ…

ゆらてぃく ゆりてぃく 崎山多美

2003年2月、講談社から刊行された崎山多美(1954~)の第3作品集。装丁は山岸義明。 目次 ゆらてぃく ゆりてぃくホタラ綺譚(パナス)余滴 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索