陽のテーブルクロス 木坂涼詩集

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 1999年8月、思潮社から刊行された木坂涼の詩集。

 

 十一階の私の住みかの、台所の真っ正面先に、こんもりとした木立の一郭が見える。
 夕刻、その木立に、鳥たちのひと騒ぎが起こって、それが毎日窓まで届く。それぞれ全員の、寝床の準備が整うまでの啼き声らしい。
 ある日の深夜遅く、地震があった。すると、揺れのおさまった窓に聞こえてきた鳥たちの声。
 びっしりの屋根も夜の暗さに紛れ、木立の一郭はさらに深く暗い。わたしは地震を恐れるけれど、あの、聞こえてきた鳥たちのざわめきには、救いある何かをもらった気がする。
(「あとがき」より)

 

目次

  • 風と草
  • 点字
  • 秋のライン
  • テキサスから
  • パンツいっちょ
  • ドアの近くで
  • 船便
  • 中途の高さ

  • 白粉
  • 落とし物
  • ネガフィルム
  • 画鋲
  • 小さな挙手
  • 代償
  • 点滅

あとがき

 

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