2015年11月、書肆山田から刊行された相沢正一郎(1950~)の第7詩集。装画は相沢律子。著者は東京生まれ。
目次
- (風が、五十七ページ目に漆の白い葉裏をまくりあげ……)
- (風は、いもあらし、のわけ、しかのつの、かしんふう……)
- 窓辺に立つひとは、川の光をのぞき込んでるひと……)
- (本をよむときには、おおきな部屋じゃないほうがいい……)
- (川は、すみだがわ、よしのがわ、もがみがわ、かもがわ……)
- (睡眠は、スイミング。大切なことは、呼吸を整えるタイミング……)
- (ときには、けやきの木陰で本をよむのもいい……)
- (虫は、水黽、屁放き虫、蟋蟀、竈馬、草雲雀、糞転がし……)
- (虫が好かない虫、といえば……なんたって蚊......)
- (本は、木のはいった木の桶……)
- (魚は、サケ、スズキ、ボラ、コイ、フナ、ニジマス、イワナ……)
- (道の途中でひろった木の枝てのひらにぴったりの握りぐあい......)
- (ゆびさきを舐め、ゆっくり本のページをめくると......)
- (雨は、あせもからし、なごのしょうべん、さざんかちら......)
- (一五九四年七月十八日、からぁっじょハ画布ノ前ニ立ッティタ……)
- (ところできみはきょう 〈空に両手をさしのべ、雲にむかって呼びかけた〉って......)
- (雲は、いわしぐも、きぬぐも、かなとこぐも、しぐれぐも……)
- (この道の果てにはなんにもないんじゃねえかっ――て親父がよく言ってた……)
- (てのひらをあかく染めながら、錆びた音たてて門をあける……)
- (木は、ぶな、かし、けやき、まつ、すぎ、しらかば……)
- 《誰だ》――『ハムレット』のいちばんはじめの台詞に......)
- (あなたの眼が熱いのは、ちいさな活字を追った疲れなんかじゃない……)
- (草は、ははこぐさ、ほとけのざ、いぬのふぐり、からすのえんどう......)
- (デハミナサン、ミナサンガ夜空ノ星ヲ見上ゲタノハ……)
- (住む、は〈澄む〉っていうけど......)
- (花は、ふくじゅそう、むらさきさぎごけ、すずめのてっぽう......)
- (シチューが煮えるのを待ちながら......)
- (本の扉をひらくと、井戸のある家……)
- (鳥は、翡翠、鸛、鶺鴒、五位鷺、草鷸、蒼鷺……)
- (あかるい月の夜に川をわたる牛車の車輪に……)
NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索