1983年、小沢書店から発行された三好豊一郎(1920~1992)の第6詩集。
言葉に対するカンが鈍ってきたのに気づきはじめたのはよほど以前からだが、六年前おやじの老後を看取って、死に至る最後の十日間を、刻々に腐ってゆく生ける屍が生命を停止した直後の、急速な変化において受け止めて以来、いっそう吃音状態におちいったのを感じてきた。
そのとき私は言葉の及ばぬ世界にふれたのであった。死は硬直であり生の頽落かもしれぬが、そこには生からの発言を受けつけぬ断固たるものがあった。(「吃音者の弁」より)
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