1950年5月、小山書店から刊行された梅崎春生の長編小説。
この小説は、新聞小説として書いた。形式の制約、たとへば一回何枚といふ区切り、全篇の長さの指定、題材や登場人物などについての幾分の制約、そんなものが私の筆を渋滞させたり、また屈折をさせたりした。さういふ点からの失敗は、今読み返してみても、どうも否定できないやうな気がする。(「あとがき」より)
目次
- 茶色の皮鞄
- 黑衣の女
- 白い鴉
- 秋の蝶
- 日に叛く虫
- 若い掌
- 惡の論理
- 新しい知己
- 野分
- 行雲
- 奇妙な一幕
- 火の宴
- 晴れた日
- クリスマス・イヴ
あとがき