1994年4月、思潮社から刊行された清水哲男(1938~)の第13詩集。第2回萩原朔太郎賞受賞。
『東京』(書肆山田)以来、九年ぶりの詩集です。学生時代の第一詩集『喝采』(文童社)から数えてみると、三十一年の歳月が経過したことになります。そのことにさして感慨はないのですが、何事にも飽きっぽい自分が、よくも詩だけには飽きなかったものだと、こちらのほうに驚いています。「戦後詩」に育てられ「現代詩」に励まされつづけてきましたが、ご覧のとおりの収穫でしかありません。(「あとがき」より)
目次
- いつか必ず
- あさきゆめみし
- 土曜日
- 恋愛小説
- マンニャン
- 灯火親しむの候
- きっかけ
- 知命抄
- パーティ
- 薄明のフライパン
- 雨季の提言
- 梅雨という定型
- 撃退せよ、夏の側へと
- 時報の叙情
- 野崎まいりは屋形船でまいろ
- 霧と地図
- 楽しいか
- 夕陽に赤い帆
- 淡い虎
- サイレンと鉄
- 草野球チームのための通俗的な一章
- 水のなかのラジオ
- 林檎箱、その他。
- 朝の幸福
あとがき