1987年5月、書肆山田から刊行された加藤温子の第2詩集。附録栞は清水哲男「聖少女」。
私は転校生でした。生まれたのは東京のまん中ですが、風のようにびゅうびゅうと流れました。
流行としての現在をあたりまえのように生きながら、誰しもが思いもかけない風景を背負っています。それらが、凝縮され、あるいは、拡散されて出てくる詩は、混沌とした流れの岸辺を吹く風と言えましょう。
(「あとがき」より)
目次
- 病室で……
- 冷たい荷物
- 甘い夜
- 課題
- 異人論
- 雨の指
- 家族
- 木曽谷
- 雪空
- 浦賀水道
- 夜明け
- 夜
- 理由
- ひとの火
- 日常
- いのち
- 風
- 季節
- 冬の夜
- 雪の夜
あとがき