1989年4月、書肆季節社から刊行された吉村博次のエッセイ集。装幀は政田岑生。
目次
Ⅰ落魄の竪琴
- 落魄の竪琴―山崎栄治の詩の世界
- 回想の山崎栄治
ⅡEcce Homines!
- 串田孫一『幸福を求めて』
- トオマス・マン 『ファウスト博士』『選ばれし人』
- 「同時代」復刊にあたって
- エルンスト・ユンガー『文明について』
- 富士川英郎『黒い竪琴』
- バルト(小塩節訳)『モーツァルト』
- 樹液について
- ケストナーのこと
- 矢内原伊作『芸術家との対話』
- ヒルティをどう読むか
- 死と果実と愛と―まだ生まれでない詩集のために
- 賀陽亜希子の詩について
- バウハウス時代のクレー
- ある憤邁について―島村洋二郎に
- 風のなかの人間―菅野陽の人と作品についての一つの断片
Ⅲ哲学断章
- 端初と終末―〈悲劇の形而上学〉のための断片的覚書
- 思想の無名性―シェストフ論覚書
- シェストフ覚書―あるいは〈悲劇の哲学と哲学の悲劇〉
Ⅳリルケをめぐって
- ヘルマン・グレイデナア―一つの出会い
- 星野慎一『若きリルケ』富士川英郎『リルケ―人と作品―』
- リルケ素描
- 詩的二ヒリズム
- ピエールはどこにいた
- シエール・ラロン・ブリーク―滞欧日記から
- Ⅴ一期一会
- バイエリッシュ・グマインの一日―ギュンター・アイヒを訪ねて
- テオドール・シュトルム
- ゲオルク・トラークル
- 一万の朝焼け―イヴァン・ゴルのこと
Ⅵ「遥青居」を去る
『距離のパトス』―もしくは『距離のパトス』への距離
「あとがき」にかえて