2006年10月、詩学社から刊行された小柳玲子(1935~)のエッセイ集。装幀は塚嵜智恵。
この冊子に収録した小文のほとんどは03年から三年間「詩学」に連載したものである。掲載の必要がない駄文も多々あるが記念のため全文収録した。他に個性的な詩誌に書かせてもらったものが十数篇ある。ここに収録しないと本にまとめることはなくなってしまうのが明らかなので、違和感があるかもしれないが、挿入することになった。
「黄泉のうさぎ」(p75)だけは詩集『黄泉のうさぎ』出版を祝ってくれた所属同人誌のために詩集の内容を現実の側から補足するために書いた。詩集を知らない読者にはつながりがとれない部分が多いと思うが、これも散逸を防ぐために収録した。一番古い文章と最近のものの間には長い年月が過ぎている。表記や人生観、すべて変化しているが、敢えて筆を加えなかった。
ささやかな冊子は、文中でそれなりに関係した人々と僅かな親しい友人に贈ることになった。つまり、その程度の本と思ってください。
(「注記」より)
目次
- 夢二、夢の跡
- 白鳥飛来
- 詩人の死
- 身贔屓の果て
- 絵の不思議
- いくつかの詩書
- カボチャ談義
- 金と熊
- 白鳥の湖
- 見えない飛行機
- 詩集のもらい方・十一章
- 詩集の送り方
- アラビアのロレンス旧居
- 木川陽子追悼
- 青い鳥
- 残念で…
- 賞のこと
- 崔さんの思い出
- クリスマス
- 九州発の詩書
- ランボーへの旅
- 詩集のこと
- 本始末の顛末
- こうだったら死ぬだろう
- 石原吉郎と大佛文乃
- 同じ年―村岡空追悼
- 秋彼岸
- 山根研一さんのこと
- 黄泉のうさぎ前後
- I have one children
- 処女詩集のこと
- となりの詩人(前)
- となりの詩人(後)
- 銅像
- ヒルデ・ドーミン
- 黒部節子の死
- 星占(ほしうら)
- 中村千尾回想
- 迷子
- 絵からの伝令
- ちょっと、西脇順三郎
- 終戦の年
- 黄泉のうさぎ
- へんなご縁
- 余技の詩
- 信天翁(あほうどり)(酉年によせて)
- 終わる時
注記