2008年9月、大月書店から刊行された渋谷直人による大江満雄の評伝。装幀は桂川潤。
目次
はじめに
- 第一章 詩人の誕生
- 一 故郷喪失と〈他者志向〉
- 二 近代詩と現代詩の狭間で
- 三 詩集『血の花が開くとき』
- 第二章 激動の時代に
- 一 『学校』から『プロレタリア詩』の詩人へ
- 二 『詩精神』『詩人』の頃
- 三 原(ウル)・第二詩集について
- 第三章悪戦苦闘のドキュメント
- 一 日中戦争期の詩作品について
- 1 転向と精神の危機
- 2 家郷への自己還帰
- 3 挫折の様相
- 二 日中戦争期の評論集について―『日本詩語の研究』をめぐって
- 1 わが国の詩語の特質
- 2 <言語復讐の詩学>
- 3 口語が文語化する方向
- 4 日本の詩にあらはれた星
- 5 残された章、その他若干の問題
- 第四章 <言語復讐の詩学>と愛国詩
- 一 太平洋戦争期の詩作品について
- 1 日米開戦とその思想状況の一側面
- 2 「海鷲」と「光の山」の間
- 3 「光の山」をめぐって
- 二 太平洋戦争期の諸論考について
- 1 〈個人責任倫理〉の思想
- 2 「象徴複合」とは何か
- 3 評論集『国民詩について』
- 第五章 死灰からのよみがえり
- 一敗戦と詩集『海峡』について
- 1 〈対話思想〉の成立とその詩的達成
- 2 〈対話思想〉と「原体験」
- 3 〈対話思想〉の転向論的側面
- 4 〈対話思想〉の表現論的側面
- 二 敗戦期の諸論考について
- 1 廃墟の中の模索
- 2 社会的実践と信仰者の立場
- 3 ハンセン病者とともに
- 第六章 キリスト者の立ち還り
- 一 キリシタン研究、その他のエッセイについて
- 1 キリシタン研究
- 2 その他
- 二 五〇年代から晩年の詩について
あとがき
大江満雄・年譜