1988年4月、西田書店から刊行された菅原克己の第10詩集。
これは「菅原克己」の十冊目の詩集です。主に前詩集『日々の言づけ』以後の約三年間の作品を集めました。それと『定本菅原克己詩集』(一九七八年)の「未刊詩集より」の作品も再録しました。
菅原は「夏の夜その他」の作品を発表以後は、殆んど詩作をしておりません。そして今は、都立北療育医療センターに入院中です。
このたび詩集を出すことになりまして、なにぶんにも本人でないために、未定稿の作品も入れてしまい、あとで入れ替える、などという失敗もありましたが、阿部岩夫さん、姪の千田陽子、地域サークルの方々のお力添えで、ようやくまとめられました。
(「あとがき/菅原ミツ」より)
目次
- 朝の挨拶
- 朝の電話
- むかしの先生
- こうきち君と桜の花
- むかしのうた
- アラン島
- 落葉の道で――THに――
- マルクスの話。
- セント・チチアン
- 「シンセセサイザー・ビートルズ」――またはわれわれに
- みんなうちつれ太陽(ひ)をめざして
- ある青年の死に
- 花のほかは……――九月に死んだ人に
- 岸正幸君を憶う
- 佐須のはずれで、
- 欅の葉音――ある青年の死に――
- 誰もいない公園で
- 天国の話
- スソン君のロープ
- 一つの机
- 喫茶店の中二階で
- パン屋の友だちに
- 風の日
- 大寒の日に
- 空間に浮んだ顔
- 六月にきた電文
- 夕暮れの野道で
- なたね梅雨の合間に
- ぼくの写生帖
- 夏の手帖に
- 夏の夜 その他
あとがき