1986年5月、創樹社から刊行された関根弘(1920~1994)のエッセイ集。
目次
- 神楽坂 山田紙店の原稿用紙
- 日本橋 芸者のお酌で酒
- 深川 新吉原の仮宅
- 早稲田 大学付近各種飲食店
- 田端 大日本インキの煙突
- 日暮里Ⅰ 三輪車で転んだ傷
- 日暮里Ⅱ 安八百屋を探す
- 尾久 万引きしたルソオ『懺悔録』
- 町屋 桜鍋とブドウ割り
- 三ノ輪 阿部定のくれた手拭い
- 南千住 ガス会社の塀の極悪
- 竜泉寺 一葉と貧乏を共有
- 吉原 ソープランドに変身
- 泪橋 八十円の相部屋の夜
- 白鬚 『寺島町ブルース』の背景
- 曳舟 消えた資生堂石鹸
- 玉ノ井 ゴリラの原という空地
- 鐘ヶ淵 女工哀史と水神の森
- 堀切 堀切ホテルの哀愁
- 亀戸 森山啓の「早春」
- 砂町 百円でイチゴ四箱
- 小松川 灰になった日記
- 小岩Ⅰ 田園ハレムの時代
- 小岩Ⅱ 人目を忍ぶ路地裏
- 錦糸町 番地のない町
- 両国 芥川龍之介の文学
- 木場 中曽根康弘の親父の集金鞄
- 東陽町 洲崎パラダイス
- 夢の島 立入禁止の棚を越え
- 月島 むかし海水浴場いま倉庫
- 築地 わたしにも劇場がある
- 銀座 瓦礫のなかの近代文学
- 京橋 中央公論で失地回復
- 中洲 佐藤春夫の『美しき町』
- 人形町 露店の町に吉原を発見
- 元吉原 ガソリンスタンド親父橋
- 浜町 政商の酒を飲む
- 森下町 血ぬられた伊東深水
- 菊川町 新米記者の第一歩
- 新橋 海が消えた浜離宮
- 日比谷 松本楼の十円カレー
- 内幸町 帝国ホテルの秘密
- 国会議事堂前 国会議員中野重治
- 赤坂 政治は夜つくられる
- 霞ヶ関 真善美とダイヤモンド
- 三田 帽子に靴がインタビュー
- 芝浦 日本電気絶望工場
- 泉岳寺 鳩に豆をやるな!
- 大手町 日本鋼管と首塚
- 二重橋前 人民広場でデート
- 丸の内 犬と日本人入るべからず
- 神田 三人の別れた女
- 淡路町 タイムトンネル小路
- 御茶ノ水 ニコライ堂と主婦之友
- 神保町 神田のバルザック
- 九段下 靖国の集団参拝
- 富士見町 殴られた水上勉
- 御徒町 競輪のテラ銭が落ちる
- 上野 松阪屋と菊五郎格子
- 浅草 古着とオモチャとふぐと……
- 鶯谷 ホテトルの根岸の里
- 駒込 『現代詩』の青春時代
- 巣鴨 トゲぬき地蔵と革新都政
- 雑司が谷 墓地の夜の悪い夢
- 池袋 地下道のなかの小熊秀雄
- 新大久保 長男の誕生と追放
- 新宿Ⅰ 巨大な下宿人集団
- 新宿Ⅱ 超高層の谷間の青い鳥
- 代々木 神殿の査問委員会
- 渋谷 リリオムの戸惑い
- 清新町 転んでもタダでは……
あとがき