2020年3月、書肆妖気から刊行された広瀬大志(1960~)の詩集。カバーは高橋加代子。
二つの詩集が同時に生まれました。二つは別々のシリーズとして五年ほど前のほぼ同じ時期に書き始めたものです。『ライフ』は現実に生きる人たちの時間を彼らになり代わって綴った物語『ダガス伝道』は現実に存在しない遠い未来の時間を言葉で探るための物語です。
そして全く異なった二つの詩集は、一つの時間の中で一冊の書物として結ばれ、結ばれることの意味を持ち、現実に存在することとなりました。詩とは未知の時間を象る力のこと。それがこの書物の謎のすべてです。
出版にあたり上毛印刷株式会社の佐藤幹夫様、利根章浩様、そしてカバーの絵を描いていただいた美術家の高橋加代子様に心より感謝申し上げます。
二〇二〇年三月二三日 広瀬大志
・ライフ 目次
- 五月の弱い幕間と強い陽射し
- 線ができる
- 松恋
- エレベーター
- 黒松心中
- 手の目
- その後の仁義なきササラモサラ
- 朝
- ふみきり
- 狙いうち
- ライフ
・ダガス伝道 目次
- 第一部 ドルメン・カレルレン
- 第二部 神曲