1982年10月、編集工房ノアから刊行された長谷川雪子の第1詩集。装幀は粟津謙太郎。
いつからだろう。
拝啓○○様と手紙を書くように、たどたどしく綴り始めたのは。
誰に伝えたかったのだろう。
遠方(あなた)への届かない手紙。
気づかないうちに、祈りのように書いていた。
皓々とした夜空を見上げては、星に忘れられた伝言を読みとろうとするのは、わたしもまた誰かによって、ことづてられたものであるからかもしれない。
贈りもののような一日をくださったあなた、ありがとう。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ '76~'80
- 幼時の記憶
- 六月
- 大寒
- 井戸を汲む少年
- 生れなかった兄へ
Ⅱ '80~882
- あなた
- おやすみ
- ひとこと
- たしかなもの
- 届かないぶらんこ
- べつの日
- タペストリー
- その名は呼ばれていない
- 遠いところ
- Imissyou
- Idon'tunerstand
- 半島
- 湖
- 塔
- 沈黙
- メジロの里
- 港
生きることの罪 清水昶
あとがき