1957年11月、新潮社から刊行された獅子文六(1893~1969)の随筆集。装幀は西山秀雄。
「夫婦百景」は、最初、婦人俱楽部に、数年後、主婦の友に、それぞれ連載した。夫婦論から中間夫婦までが、前者の掲載の分で、それは、私の持っていた材料で書いた。
主婦の友掲載分は、最後の一章を除き、読者から材料の提供を受けた。人から材料を貰って書くのは、ラクな仕事だと考えていたら、事実はそれに反した。材料といっても、書いた人の色がついてるから、それを洗い流して、もう一度眺め直すだけでも骨が折れた。また、実在する人に2対する顧慮も、なかなか面倒で、中には、ケースだけ貰って、後日自分のものにしたのもある。要するに、夫婦百景なんていうちのは、見物するのも、容易でないことがわかった。
(「あとがき」より)
目次
- 夫婦論
- 美男と美女の夫婦
- 強情妻
- ある恋愛結婚の夫婦
- 関自亭主とその妻
- 失格女房とその良人
- 中間夫婦
- 母親女房
- もう一人の母親女房
- アベコベ夫婦
- 学生夫婦
- 惜春女房
- トの字の夫婦
- 三十三年目の復縁
- 天使夫婦
- 若い、若い夫婦
- 非夫婦・夫婦
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