1968年10月、あいなめ会から刊行された上杉浩子(1938~)の第2詩集。刊行時の著者の住所は杉並区上高井戸。あいなめ叢書。
処女詩集「おいらん草」以後に書いた九十編余りの作品から金子光晴先生が、これらの詩を編集して下さいました。
病的な色眼鏡でものを見ていると思われるかも知れません。しかし、それが私の現実ですので、誰か、僅かな人にでも共感していただけたら幸いです。
華やかな現代詩の片隅に、丁度陽明門の魔よけの柱のように息抜きになる"欠陥"があってもよいのではないでしょうか。これからも、もっと身を引締め、私なりに注意深く目を瞠いて行きたいと思います。
(「あとがき」より)
目次
- 植物
- 霧
- 悔恨
- 砂地
- 鏡
- 水子
- 秋の日
- さいころ
- 私ひとり
- 癩の夜
- 十七才
- 白い菊
- 無題
- 詩がかきたい
- 秘密の仕事
- 笑い
- 廢屋
- 晩秋
- 霧
- ウェイトレス
- 祖父のこと
- はたくしはばかです
- 荷揚場
- エピキュリアン
- 午後
- 祖父の花瓶
- 一人だけの乾杯
- 夜になると
- 母に
- ヒロ子ちゃん行進
- 瘋癲
- あねいもうと
- 死んだ男
- 春の日
- 窓
- 枯れ枝
- S夫人に
- 日常
- M家の葬儀
- ゆれる女
- 螺旋階段
跋 金子光晴
あとがき