1990年9月、思潮社から刊行された雨矢ふみえの第2詩集。装幀は田代しんぺい。付録栞は天沢退二郎「雨矢ふみえ賛江」。
本書は一九八六年以後に書いた詩篇で構成されている。いくつかを除いて、ここでの詩は従来のようにはその言葉が機能していない。だが、主題がないわけではない。言葉はより物質的であればいいのにと思っている。ここで目指された方法は、恣意的な造語を使えば「言葉の全方位架橋」、あるいは「言葉の発生直前をとらえること」であるかも知れないが、実際にはそういった方法は見当違いな夢、もしくはオプティミストでなければ思いつきもしないものである。これらがかたちを成すまでの時間は、言葉の持つ過剰な意味にふりまわされ苛立つことにただ終始した。
(「後記」より)
目次
Ⅰ ポワン(au Point)区にて。
- <フニクリ フニクラ>
- <フニクリ フニクラⅡ>
- <迷曜日>
- <遠い街角>
Ⅱ ファッティ・ファッティ
- <ファッティ・ファッティ>
- <その毛ばたち>
- <She8s just a looser.>
Ⅲ
後記