1971年10月、小日本の会から刊行された岩倉憲吾の詩集。題字は菊岡エシノ、カットは菊岡久利、菊岡ノンコ。
この中の詩をお読みになれば、だれにでもすぐ、おわかりいただけると思うが、世の中にこんな純真・無垢な、少年のようなこころを持った詩人がいたことに、おどろかれるだろう。それは、シャルル・ルイ・フィリップの小説を読んだときの感銘と、そっくりである。
この詩集は、刊行部数が少ないので、回わし読みにでもして、ひとりでも多くの方に読んでいただきたいと、私は願う。
この夏、岩倉憲吾さんが、わざわざ私の病床に見えて、こんど久しぶりに出される詩集『青い葉』に、序文を書けといわれた。岩倉さんは、私のような戦後派とちがい、戦前からすぐれた詩篇の数々を発表しておられる、私の尊敬する詩人である。菊岡久利君の引き合わせで、私は岩倉さんを知ったのだが、亡友の代りにとの話なので、不相応なことをあえて引きうけて、巻頭をけがすことになった。
(「はじめに/緒方昇」より)
目次
はじめに 緒方昇
- コドモたち
- チョコレートと子供
- リボンと蝶
- 少女
- 星と少年
- 青い葉
- 少年
- 愛について
- 指について
- 二羽の小鳥
- 軽業師の家族
- 学生
- 羽根の生えている子供
- 祈り
- その男
- その冬
- 微風
- 月夜
- 街の中
- 桐の花
- 生について