日本未来派詩集

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 1987年7月、思潮社から刊行された日本未来派同人のアンソロジー。装幀は河原宏治。

 

 本書は、詩誌「日本未来派」同人のアンソロジーである。たまたま今年の六月で昭和二十二年六月に「日本未来派」が創刊されてからまる四十年を経過するということから、創刊四十周年を記念する意味もこめて本書を刊行することとなった。かつて、「日本未来派」を舞台に活躍した詩人たちは相当の数にのぼるが、同誌から他誌に移った詩人、現在も他誌で旺盛に活躍している詩人までふくめると厖大なものとなるため残念ではあったがこれを割愛し、現在の同人と、主要な物故同人の詩作品をもって一巻を構成した。収録した詩人六十九名のうち、物故詩人は十六名である。少数ではあるが種々の事情から本書に作品を寄せていない現役同人もいることをつけ加えておく。なお、巻末に、同誌創刊から現在にいたる年表と、収録詩人の略歴とを付した。
昭和六十二年四月『日本未来派詩集』編集委員
南川周三 内山登美子 西岡光秋 田中房太郎 倉持三郎
(「あとがき」より)


目次

 

  • 赤石信久 秋篠寺にて/あかきくちびるの物語
  • 安西冬衛 虎/茨戸のバラード/蝶の祝典序列/変質旅行
  • 安藤一郎 四十二歳/ホレーシオへの別辞/外科病院
  • 池田克己 法隆寺土塀/花花
  • 石田永知 竹の歌/夜明け前/玉虫
  • 石原武 母の村/扇状地/耳染/はぐれ天使のように
  • 伊東廉 古鏡のうた/人影/椅子/鏡の水 
  • 植木肖太郎 僕と曠野
  • 植村諦 私はこんな詩を書きたい/旅で/渋柿/再生記
  • 内田義広 野鴨/春雷/渡り鳥翔ぶ
  • 内山登美子 草は倒れて/見える 見えない/冬の唄/夢の話
  • 遠藤恒吉 下宿の二階で/骨なし/生/夕焼け/もったいない
  • 大月玄 眩量/ある男の幻影/成形/空/image 五篇/熱い夏の日/哀しみ
  • 大村洸一 Epigram/迂回路
  • 岡崎澄衛 心の棘/再会/柘榴の花/検屍手記 
  • 緒方昇 天の精神/鬼三戒/寒江雨釣/捨て舟/上海横浜橋
  • 小野十三郎 この夏の終りに/小鳥と時間/ハレーよ、おまえが去ったあとも/言葉さがし/夏の終
  • 兼松信夫 舞い/若い母親/中流と称する意識
  • 壁淑子 野外彫刻展/黒い太陽
  • 上林献夫 色彩の町/雨の降る品川駅/目が合った/夢の島
  • 菊岡久利 蝋燭っぽい歌/アニイ・パイルの歌/いま君のふるさと
  • 金田国武 はなあそび/おに/はなあそび/ひだまり/らんぶのじゅもく
  • 久須耕造 脛/ちいさな村/キルティプールの絞首刑/五百羅漢
  • 九谷元子 寓話/牛/タペストリのバラ/青い花
  • 工藤いよ子 呼ばれて/初夏/ゆき/夢は忘れた/夏
  • 倉持三郎 黒い影/寺院/木/光り 
  • 小池亮夫 接吻/滅び/平田橋 
  • 坂本明子 舞いながら来る
  • 佐川英三 麦/独楽/朴の花/斑猫/夜 
  • 佐藤総右 無明6/夜の音/風の歯型 
  • 佐伯幸男 初冬/寝物語/樹木/別離 
  • 島崎曙海 牛車/挽歌/こぶしの歌
  • 島崎雅夫 また会う日まで/幻影固着
  • 清水祐子 闇に燃える女たちのうたげ/軌跡
  • 末繁博一 いなげの浜へ、今/芝居がかりなぞとあそび遊ぶ
  • 高部勝衛 さくら花考/虚空/亡国/誘惑 
  • 高松文樹 ひとつの死/たそがれの蜂/持続/目が目をみる 
  • 高見順 死/天/さういう笑いは僕には困る/青春の健在/荒磯
  • 田熊健 フル・ネームの女/赤い斑点/きずあと 
  • 田中恭一郎 1パリからの手紙/2パリへの返信/はまばっすの花/海のながれ 
  • 田中房太郎 舞台/謎/残像 
  • 田村昌由 八月十五日草詩抄/満洲
  • 手塚久子 光のほうに/こおろぎ/大寒の日/あやとり
  • 寺島栄一 燃える風景/幻影の人/砂漠の風景
  • 戸田正敏 蟻の町/牛/過去帳/機おり嫁こ
  • 中里廉 三富新田の地図/草いきれ/続草いきれ 
  • 永瀬清子 その家を好きだった 
  • 中野俊郎 書記 I/花ふぶく河・街/八月/人体部位並びに諸器官概論(1) 
  • 西岡光秋 老女のボン/猫と老女/鯉/執行猶予
  • 野上悦生 八月の電車/果実に与える妄執/地下道へ/耳の視界/星をひとつ
  • 野長瀬正夫 晩年その六/岬の村で/帰る日/わがための挽歌
  • 馬場邦夫 室戸崎まで/室戸断章
  • 平木二六 ここに陸つき海はじまる/炉辺夜話/秋風一過/あかりが点る
  • 福田美鈴 河口の街で1
  • 福田陸太郎 虚空の花/茗荷谷海岸/バンフィールド氏の夏の一日
  • 藤田博 ベコちゃん/秋に寄せて
  • 真壁仁 廃墟/夜の塔/十月の抒情詩/日本の農のアジア的様式について
  • 真木潤 二月へ/犬の好きな婦人の憂鬱/平信 
  • まきののぶ 桑株/熟柿/風車/冬 
  • 水野ひかる おとひめ伝説/25メートルのアルカディア/水引草/ぎょちょうもく 
  • 港野喜代子 蚊帳洗う日/紙幣/八月十五日/夕暮れを焚く/虫は値ぎられていて 
  • 南川周三 年老いた豊かな雪/六月になって/熊笹の群生
  • 宮崎譲 雛段異聞/神/神/やどかり/魚の話 
  • 柳田光紀 海の唄/言語発生過程 
  • 山口木の芽 畑の中の悪魔/屋根の下/曼珠沙華の女
  • 山田直 虹の橋/原色の闇/報酬 
  • 山田野理夫 支倉常長伝/古色
  • 吉井富美江 献香/蝶/追風まねて 
  • よしかわつねこ アフリカ/長い夏/わたしの部屋はがらんどう/春・逝く

日本未来派年表
収録詩人略歴
あとがき


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