1995年2月、編集工房ノアから刊行された塔和子(1929~2013)の第13詩集。表紙は西脇洋子。
この詩群は、ある日、ある時のすてきな方との出会いをきっかけにとして、遠い日の恋を想い起こしながら書きましたもので、先に出しました「愛の詩集」につぐものです。
人間としてあらしめられている、つかの間の時間に、人はさまざまな経験をしながら成長してゆきますが、なかでも恋愛は、たいていの人が一度は経験するもので、この詩集は、老いた人は、昔日の思い出として、若い方は、正にその渦中にあるものとして、読んでいただけますれば、作者の私としましては、望外のよろこびでございます。(「後記より」)
目次
- いつも共に
- それだけの
- それは
- 音色
- 夢の外
- 光りのように
- 別れの時間が
- しずく
- 籠
- 言って見る
- 頁珠のように
- 言葉
- 明日は
- 明かり
- やせた心
- はじらい
- かもしか
- 好ましいもの
- 一瞬やつれ
- 悔恨
- 優しい水の中で
- 紙風船
- 館
- 手紙
- 赤トンボ
- 待ちぼうけ
- 声
- 朝
- 悲鳴
- 蝶のうた
- 石の私に
- 六月
- 立ち入る
- 羽
- 私は今日
- この両極の
- 飢え
- この日
- 夢の先
- 記憶
- レモンスカッシュ
後記