1961年3月、東京創元社から刊行された山本太郎(1925~1988)の第4詩集。装幀は高橋綿吉(1911~1980)。
僕は詩について告白の形以外に書けそうもない。
詩は僕にとって、人生に参加する最も具体的な橋だ。そして詩人は、何よりも言葉の不完全さを思いしる痛烈な体験から出発している。
詩人の言葉への不信は、言葉への執着と裏はらである。そして言葉が人間の生と最も根源的なつながりをもつと信じる時、「軽い意味」は消え、詩人は言葉を超えて、詩人自体を更に超克しようと祈念する。そうだ。いつでも新しく革ろうと、だ。(「あとがき」より)
目次
- こばみの石
- 素朴な唄
- 盛り場春情
- 儀式は終った
- 黄昏の唄
- 火山
- 秋の手帖
- 冬の手帖
- 朝の唄
- 問いの矢となる時にこそ
- 寓話
- みみず物語
- 冬の街
- 牛
- ゆめのたわごと
- 雪の山
- 雪山の夜の童話
- 遠い太鼓
- 原生森異聞
- 循環歩行
- 山どもの唄
- 悲しみはあらわにしつつ
- 顔
- 日暮れ
- 沼
- あなぐら酒場のクラス会
- 顔と砂漠
- アフリカ
- 「けんか」によるエスキース
- 原色の祭り
- 魚供養
- 初夏の唄
- 昆虫の微笑
- 海の抒情
- 夕焼の唄
- 逆立
- とむらいの唄
- 詩人塙団右衛門の思出
- ちりめんじゃこの唄
- 夜を喰べる山の唄
- 水葬の里
- 旅
- 壊れた顔
- ムジナ
- 酒の夜
- なまずの唄
- 甘ったれの唄
- さんぽの唄
- 部屋
- 塑像の唄
- 讃美歌
あとがき