2000年の第50回H氏賞を受賞した龍秀美の詩集。発行は詩学社。
待望の第二詩集
しかも前著「花象譚」の神秘主義的抒情の世界を越え、台湾――ひいては中国、東洋のなかにおのれのルーツを探ろうとする力強いエネルギーが秘められている異色の詩集である。著者は歴史なるものをしかと見据え、日本と台湾という二つの文化の間に生きるおのれを重ね、真正の詩を探ろうとしている。一丸章「詩集『TAIWAN』頌」より
目次
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指紋
見る
包む
風景
いない虎
アサリ
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寓話
エビ
鵞鳥
さくら
蓮霧
あら楽し
似せの花
野生類通り
***
粗衣
紙銭
中山高速公路
洗骨
不孝男(プーシャオナン)
夢の胎
年画(ニエンフア)
空の幸
夢の地としての日本――あとがきに代えて