1976年10月、書紀書林から刊行された山口哲夫(1946~1988)の第2詩集。
笛吹童子が一人いて、ポックリ丸首の電柱をつれ、シャツの胸はだけた雪男をひきつれて、山肌をゆく。背番号も郵便番号もないな。『妖雪譜』の響きをテープにいれると、不思議な残響が尾をひく。雪崩らしい。「もう獅子舞もおしまいだ」と囁いている声がかすかに聞こえてくる。そう、ここには背番号も郵便番号もないな。北国長岡生れの詩人山口哲夫が軽やかなステップで、宙に浮かび、トンボをきると、ザンバラ髪の着物も鮮やか角兵衛だ!
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