1970年9月、三彩社から復刊された加藤一雄(1905~1980)の長編小説。雑誌「南画鑑賞」に1941年6月から翌年2月まで、5回にわたって掲載され、1947(昭和22)年2月に日本美術出版社から刊行された。
三彩社の内藤賛氏から自由な気持で書いた「あとがき」を附けて下さいと言われ、ハイと承知して実際書きかけてもみたのだが、三十年昔の旧稿に対して自跋を書くということはやはり無理であるらしい。結局はやめにして、ここには跋や後記というよりも、むしろ、記憶に残っている砕片だけを順序もなくただ単に並べておくだけのこととしたい。(「後記」より)
目次
- 原色版口絵 惲南田 菊花図扇面
- 無名の南画家
- 後記
書評等