1981年7月、編集工房ノアから刊行された尾崎与里子(1946~)の第2詩集。カバー装画は木村茂。H氏賞候補作。
近江には、古い観音像が多く残されています。ときに湖北には、謎めいていると言われるほどたくさんの十一面観音像が、山間の村々の粗末なお堂に、ひそやかにしまわれ、信仰されてきているのです。人々の根強い祈りの対象になってきた姿が、なぜこんなにあらわな女身でなければならなかったのか、ずっと心にかかっていました。(「あとがき」より)
目次
秋の章
- 終雨
- 小夜衣
- 秋草の部屋
- いちょうもみじ
- 十五夜
- 秋狩り
冬の章
- 冬野
- 師走
春の章
- はなびら
- 倡女
- 夜伽話
- 春宵
- 名残り
夏の章
- 半夏生
- 鱗夜
あとがき