地の表情 片岡文雄詩集

f:id:bookface:20170908212432j:plain

 1966年12月、思潮社から刊行された片岡文雄(1933~2014)の第4詩集。

 

 ここに「地の表情」としてまとめた一本は、前集「眼の叫び」に続く、わたしの第四詩集をなすものである。
 四たび詩集のたぐいをおおやけにする気持は、だめな生涯があるいはだめではないかも知れないとう、行きをひそめるひとときにたとえられる。一つの幻影におもわれる生涯を、つき破ろうと努めるとき、炎がわたしをつらぬく。わたしはいのちをまつとうしているか、わたしは死を超えられるか、わたしは名づけるものとなり得たか。これらの問いは、はやくからわたしをとらえていたものであるが、この歳月はそのことを執拗に問うた期間であつた。
 ささやかな三十の姿にかたどられた生涯が、わたしをおいて、さらにおなじ影を人々にも落すことを、夢想するものではない。ぎくしやくとした歩み、手さぐりのなかで、いのちの中心たらんとしたそのことによつて、わたしはひとびとにつながりたいとおもう。
(「覚書」より)

 

目次

  • 西にむかって
  • 念誦
  • 聖誕曲・外は死でいつぱいだ
  • 地上
  • スリコンボの頃
  • いつぽんの木
  • 日常
  • 独立
  • 手による習作
  • 背中
  • 詩との出会い
  • 騾馬ラウリーノ
  • ゴキブリの頃
  • ユーゴスラビアの版画家たち
  • 四月のうた
  • 樹木
  • 山鬼
  • 汽車を見送る
  • 出迎え
  • さくらの頃

覚書

 

NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索