1971年3月、講談社から刊行された結城信一(1916~1984)の短編小説集。装幀は駒井哲郎(1920~1976)。
この三年ほどの間に書いたものの中から短篇七つと小品二つとを、ここに選んでみた。
読返してみて私は、これは多分挽歌のれん作といふものであらう、と思つた。一作一作を書いたあとに、軀の奥から滲みでてきた重い徒労感が、なまなましく今よみがへつてくるのである。
この作品集が自分にとつてどういふ意味を持つものなのか、不安と躊らひの思ひがなくもない。
(「あとがき」より)
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あとがき