1968年6月、新日本詩人社から刊行された遠地輝武の追悼集。カバー画は遠地輝武。写真は、高田新、片羽登呂平ほか。
この『遠地輝武研究』は、昨年六月一四日に死去した遠地輝武(本名・木村重夫)を追悼して出版するものである。ここから詩人としての、あるいは人間としての、遠地輝武の一端が把握できれば幸いである。
はじめは、「新日本詩人」終刊号を”遠地輝武追悼号”として発刊するという案もあったのであるが、結局はこのような永く保存のきく単行本として、出版することとなった。四〇年の詩業を集大成した『遠地輝武詩集』、そのあとの死去までの作品を収録した詩集『千光前25番地』、さらには、大著『現代日本詩史』など、遠地輝武の著作と併せて読んで戴きたいと願っている。
(「あとがき」より)
目次
・評論
- 遠地輝武小論 壷井繁治
- 遠地輝武ノート 日谷英
- 詩作品と人間道程 高田新
- 変貌したものはなにか 西杉夫
- 死、日常、詩と政治 野口清子
- 遠地輝武ノート 村田正夫
・追悼エッセイ
- 追想 阿部知二
- 詩のおかしさ 安西均
- こん畜性 有賀次郎
- 遠地輝武のこと 伊藤信吉
- 我が家の壁の風景画 伊豆太朗
- 遠地さんのこと寸記 内田博
- 遠地輝武 内田麟太郎
- 『挿木と雲』考 大井川藤光
- 遠地の千光前町 岡亮太郎
- 二つのことがらのメモ 加賀谷春雄
- 遠地輝武についてのメモ 片羽登呂平
- 純血な詩人 且原純夫
- 遠地さんのこと 川崎覚太郎
- 絶滅はかなしい 川口克己
- 詩の柩 菊池芳一郎
- 遠地さんと私 近藤東
- 心に伝わってくるもの 後藤郁子
- ぶらい詩精神のながれ 重国林
- 遠地輝武追悼 高橋新吉
- 遠地さんと花と 高橋フミ
- 絢爛のいのちは辛し 高橋久子
- 遠地さんのこと 滝口雅子
- 千光前二五番地のあるじ遠地さんとの縁 タマキケンジ
- 善人面 津田青楓
- 遠地輝武のことから 富田満穂
- 詩人の挑戦状 古川洋三
- 遠地輝武おぼえがき 別所直樹
- 遠地さん 松永浩介
- 豆を煮ていた遠地さん 八木忠栄
- 詩業の本懐 山田清三郎
- 遠地さんのこと 柳沢君枝
あとがき 村田正夫