1954年9月、日本未来派発行所から刊行された和田徹三(1909~1999)の第3詩集。構成は池田克己、写真は玉川雄介、著者自装。刊行時の著者の住所は札幌市。
私はいろいろな視点から自分の內外に取材してきた。それは歌になり記録になりロマンになったが、どこかに定着しようという気持にはなれなかった。私の散文体詩は昭和十年に椎の木社から出した詩集中の「ねあん」がはじめての作品で、これは昭和八年に発表したものだが、前詩集「合瓣花冠」以後ひそかに思うところあつて、また書溜めて来た。この詩集はここ三年間の貧しい実験報告書である。作品の配列はロマン風のもの三篇を巻末に入れたほかは、ほぼ製作の順である。大方の厳しい御批判に学んで、更に次の実験に進みたいと思っている。
(「後書」より)
目次
- 白い海藻の街から
- 歌わないオルゴールの歌
- 粘液の記録
- 雪のなかの歌
- 馬について
- 風の日の記録
- 紙を切抜く少女
- 吹雪の記録
- 犬のうたう犬の歌
- 冬の幻について
- 空(くう)について
- 愛について
- 癲狂院の庭
- 黄いろい花の曲角
- 使いのにならない鋳型の話
- 乞食に紙幣を貰った話
- ばかばかしい夜の話
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