1973年11月、牧羊社から刊行された石川桂郎(1909~1975)の第3句集。
第二句集『竹取』が昭和四十四年二月に発行され、第三句集を持つことなど夢想だもしなかったが、発行者の川島さんからお勧めを受け、私達「風土」の仲間が寄って句稿の収集、清記を一切引受けてくれ、その中から自選した。
昭和四十二年三月、心筋梗塞の発作により国立静岡病院に入院、高橋沐石国手の手当を受けて以来同じ病で三たび入院してきた。
家に帰れば生活はもとの黙阿弥、友人とのつきあいも病を忘れた顔でとおして来たが、夜中ひとり目覚めたあと、あす、あさっての自分を思わずにはいられなかった。旅の句より、常住坐臥に寄せる句に自然心の傾いているのはそのためである。
(「あとがき」より)
目次
- 昭和四十三年
- 昭和四十四年
- 昭和四十五年
- 昭和四十六年
- 昭和四十七年
あとがき