1985年3月、青磁社から刊行された佐伯徹夫の第1詩集。装幀は内田麟太郎。著者は東京都生まれ、刊行時の職業は中学校教員、住所は厚木市。
初めての詩集です。詩を書いていて思うことは、生み出す苦しさはあっても楽しさはないな、ということです。たぶん、ぼくの場合、詩の動機と主題が結びつくだけでは詩にならず、それらにある一つのストーリーを必ずつけ加えていくからなのでしょう。ですから、いつも詩を書いたあと感ずるのは、頭の中にたまっていたものを吐き出せた、という虚脱感なのです。
(「あとがき」より)
目次
・想
- 変哲もない 朝
- なんにもない
- ファントムが墜落した日
- 幽霊
・冴
- 伝える
- やさしさ
- 娘の性
- 自分
・優
- けがれる
- まんじゅしゃげ
- 優の死んだ日
あとがき