2003年3月、編集工房ノアから刊行された北野和博(1955~)の第2詩集。著者は兵庫県生まれ、刊行時の住所は明石市。
電車の窓から、公園が見えるとつい見入ってしまう。知らない町の地図を眺めていても公園を探してしまう。
我が家の前にも小さな公園がある。たまに娘と一時を過ごす。
公園にいると雲が動く。枝が揺れる。花が咲く。子供達の声がする。すると不思議と旅のことを考える。遠い思い出や、遠い国、世界の果てにまで心が及ぶ。
この詩集はそんな公園での出来事。そして「大きい人」も「空の人」も「雨の人」も。彼らは旅人。私に風の話をしてくれた父も。私もまた。
前詩集『いってきます』から六年。少しずつ前から心が遠ざかってゆく日々。そんなとき安水稔和先生から励ましの言葉を頂き、刊行にこぎつけた。深謝します。それから、娘に。いつかはじまるあなたの旅が寂しくないよう、この詩集を。
(「あとがき」より)
目次
- 世界の果て
- 大きい人
- ここは昔
- 幽霊
- みずうみ
- はるのみち
- 二枚の写真
- 旅犬
- 花の中で
- 雨の人
- ブランコ
- ひとみ
- 朝顔の時間
- 空の人
- コスモス
- 風の人
- 小さい人
- 氷の人
- 木の人
- 土手
- 本の人
- 夕焼け
- 風の世界
- 画家のレシピ
- ガーデン
- ドングリの木
あとがき