1959年4月、詩火社から刊行された小池鈴江の第2詩集。刊行時の著者の住所は浜松市成子町。
詩集「夜光時計」は私の第二詩集で、「出さない手紙」刊行後に「詩洋」「詩火」等の詩誌、新聞に発表したものをまとめた。題名の「夜光時計」は作品にそぐわぬものであろうと思われるけれども、商家の主婦として、雑用に追いまくられる私が、私自身をとりもどすのは、あたかゆ閉店後、消灯された店の中で生き生きと生気を取りもどし、光り輝く夜光時計に似ている所から名付けた。閉店後、妖気じみた幻想の世界へと遊び、めらめらと、欲望の火をたく女であり、幼くして逝った四人の児達と、心おきなく遊べる時間でもある。
御指導御鞭撻下さいました前田鉄之助先生丸山薫先生に深く感謝致します。
(「後記」より)
目次
・世界を見ている
- 天
- 雨
- 世界を見ている
- 十姉妹
- 孤影
- 秋
- 層雲
- 無題
- すべての子供が胸に……
- 肉身のおもり
- 疵痕
・輝く雲の門
- 栗ヶ獄の朝明け
- 運動会
- 早春の陽を浴びて
- バラの棘は痛い
- コッペ会の絵の前
- 時計屋の店
- 茶の実
- 掌の秋
- 独立
- 箱根美術館
- うれいなく唄う
- 輝く雲の門
・余燼
- 詩人のわがままと
- 無題
- 私
- 出さない手紙
- 鳩
- 余燼
- 笑声の河
- 吐月峰
- 夕映
- 晩秋
- 本
- 夕暮
- 店を閉めると
- 夜光時計
後記