1968年8月、毎日新聞社から刊行された永田美那子の自伝。装幀は三輪しげる。
著者の永田美那子さんは、石川県小松市の旧家に生まれた。平凡な結婚生活を送っていた彼女は、赤旗購読容疑で警察に拘留されたのが原因で離婚、上京する。万朝報記者、陸軍省つはもの新聞班嘱託となったことから彼女の運命は大きく変わっていった。昭和六年、満州事変の勃発とともに従軍記者として渡満、軍の諜報活動に利用された。軍の内面を知りすぎた者として何回も死地に追いやられるが、その都度無事帰還し、東条英機をはじめ軍首脳をあわてさせた。戦後、宗教運動に尽くし、現在に至っている。
(カバーより)
目次
序 今東光
「女傑一代」に寄せる 片倉衷
自序 永田美那子
・第一部 満蒙戦線を駆ける
- 旅立ち
- 出発までの歩み
- いよいよ大陸へ
- 前線行を志願
- 諜報員としての第一歩
- 青帮に入党させられる
- 前線への道
- 一三キロの最前線へ
- 戦闘の渦に巻きこまれて
- 大陸のジャンヌ=ダルク
- 空路チチハルへ
- 塹壕内の敗残兵
- 馬占山と会見せよの密命受く
- 先生と呼ばれて
- 錦州目指して
- 錦州無血入城
- 大毎特派員の失踪事件
- 長城に立つ
・第二部 宣撫工作員として
・第三部 東奔西走
- 西安事件の渦中へ
- 必死のルポ
- 東辺道の画期的大討伐
- 国防婦女会常任理事の職を辞す
・第四部 地下工作運動
- 日華事変
- 密輸船に囚われる
- 孔席暖まらず
- 愛路婦女隊結成
- 太平洋戦争開戦
- 東条首相との確執
- 謀略御用商人
- ついに、ああ、ついに
著者と世界の動き略年表